作者にはご苦労様といいたい。
僕は雑誌での連載を追いかけていたわけではなく、単行本でしか読んでいなかったのでのそれほど気にはならなかったのだが、いやちょっとは気になったか。それというのも、2000年の3月号から連載が始まり2007年の8月号まで連載が続いて、単純にこれだけを見ればなんのへんてつもない一般的な連載漫画だったはずなのだが、問題はその後の単行本にあたっての部分なのだ。
連載が終了したという話は2007年の時点でネット上で流れていたので、順次単行本化されるだろうと思っていたのだが、これがいっこうに出る気配がない。そもそも連載が終了した時点で4巻までしかでておらず、そこから判断すると残りは1巻か2巻だと思っていたのだが、その後5巻が出て、6巻が出ても終わる素振りも見せやしない。もっとも連載の途中で長い中断があったせいもあるだろうけれども、
連載が終了した後も、手を加え続けていたらしい。
上條淳士もある作品で単行本化にあたってまるまる一巻をすべて書き直したというが、それに匹敵するのではなかろうか。
その一方で、物語の内容の方は深刻化していく。最初の時点で感じられたような気軽な物語という雰囲気は息を潜め、息苦しいような物語になっていくのだ。
どこまでの部分が最初から構想していた部分なのかはわからないが、こうして読み終えて、随分と長い道のりを歩んできたという気持ちになると同時に、とことん自分の満足のいく作品に仕上げる気概とその実行力はうらやましいと感じるのだ。
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