やたらと長いタイトルの本だ。
しかし長いからといって過去最長の長いタイトルの本ではない。
しりあがり寿が帯で絶賛しているが、絵柄はどことなくしりあがり寿っぽい部分もあり、花くまゆうさくっぽい雰囲気もあるがこの二人が持っている癖の強さはない。
だからといって万人受けする漫画なのかというとそうでもないのだが、とりあえず読んで欲しいといいたくなる作品だ。
うんこをすると記憶喪失になってしまう男の話とか、地底人になってしまう奇病に冒されてしまった野球好きな少年の話とか、いろいろな生物を殺しては、捨てられた電化製品の部品を使って機械の体にして生き返らせるフランケンシュタインの怪物の話とか、むき出しの人工頭脳を普段はかつらをかぶってごまかしているアンドロイドが、風でかつらを飛ばされるたびに人工頭脳をフルに働かせてかつらを取り戻す話とか、変な話が多い。
うんこをすると記憶喪失になってしまう男は、序盤で便意を催し、記憶を失ってしまうのだが、なにか食べ物を食べるたびに少しずつ記憶を取り戻していく。お腹いっぱいになると全ての記憶をとりもどすのだが、そのころになると便意を催し、結果としてまた記憶を失ってしまう。
フランケンシュタインの怪物は生き物であればなんでも殺してしまうのだが、不法投棄された家電製品をエコ活用して機械の体として生き返らせる。それを見た主人公は、フランケンシュタインの怪物が行っている悪いことと良いこととを比較して結果、良いことをしている方が多いので、その行動を肯定してしまう。
最終話はこの本のタイトルにもなっている未来からやってきたネコと出会った主人公の話だが、タイムトラベルを行うネコというとてつもない設定でありながら、何事もなく物語は終わる。まさにタイトルに偽りなしである。
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