直木賞とか芥川賞は発表の時は気にするけれども受賞した作品を読むかというとそんなことはないので、この本も受賞したときには気にしていなかった。が、熊小説ということと、気にしてなかったけど面白いんじゃないのかという直感が働いたので読んでみた。
で、読み始めてみるとなんか違う。主人公と熊との闘いのような話を想像していたけど、ストイックというか実直というか猟師としての生活と行動がドライに描かれ、なによりも主人公が倒そうとする熊は途中で別の熊に倒されてしまうところで意表を突かれてしまった。で、今度は獲物として狙った熊を倒した熊を倒そうとするんだけど、これも中盤過ぎでわりとあっさりと倒してしまう。
熊小説ではあるけれどもそれ以外の要素が大きい。諸行無常でもあり、ヒューマニズムのかけらすらもない。命は平等で、平等であるということはつまり人間だから尊いということではなく、人の命も熊の命も同等であるということだ。だから、命が失われていくということに感傷もない。

Amazon.co.jp: ともぐい (新潮文庫 か 102-1) : 河﨑 秋子: 本
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