来月の気になる本 2013/03

『英国異色短篇コレクション』西崎憲編 ちくま文庫
『60年代日本SFベスト集成』筒井康隆 ちくま文庫
『翻訳教室』柴田元幸 朝日文庫
『最終定理』クラーク&ポール ハヤカワ文庫SF
『WORLD WAR Z(上下)』マックス・ブルックス 文春文庫
『隻眼の少女』麻耶雄嵩 文春文庫
『続 赤い高梁』莫言 岩波現代文庫
『脇役スタンド・バイ・ミー(仮)』沢村凛 PHP文芸文庫
『東京大学で世界文学を学ぶ』辻原登 集英社文庫
『ハルさん』藤野恵美 創元推理文庫
『大坪砂男全集2 天狗』大坪砂男 創元推理文庫
『20世紀星雲賞短編SF傑作選 てのひらの宇宙』大森望編 創元SF文庫
『見晴らしのいい密室』小林泰三 ハヤカワ文庫JA
『星界の戦旗(5)』森岡浩之 ハヤカワ文庫JA
『コロロギ岳から木星トロヤへ』小川一水 ハヤカワ文庫JA
『北村薫と日常の謎』北村薫:監修 宝島社文庫
『皆川博子コレクション1 ライダーは闇に消えた』皆川博子 出版芸術社
『蛇の卵』R・A・ラファティ 青心社
来月もそれなりに気になる本が出る。
可能な限り電子書籍として読むことができるものは電子書籍で読もうとしているので、講談社と早川書房の新刊に関しては一ヶ月遅れで読む形となるので、上記の他に先月分もプラスされる。なんとなくだけれども積読本が増えている感じだ。
さて、ちくま文庫はいったいどうしたことか、気になる本が出続けている。西崎憲による『英国異色短篇コレクション』は収録内容しだいだけれども、筒井康隆が編集した『日本SFベスト集成』がちくま文庫で復刊するとは思いもしなかった。僕が持っているのはこのシリーズのうち一冊だけで、たしか『71年日本SFベスト集成』だった気がする。
ハヤカワ文庫SFからはクラークが途中で書けなくなり、フレディック・ポールに後を頼んだ『最終定理』が文庫化。しかし、クラークがポールに頼んだ時点でポールも80歳を超えていて、まあたしかに自分より若いとはいえたった二歳の違いで、どっちが先に亡くなっても不思議ではないのだが、やはりそれだけフレディック・ポールを信頼していたのだろう。
ここ数年、ゾンビがブームなんだけれどもそのブームも未だに衰えることなく続いていて、マックス・ブルックスの『WORLD WAR Z』が文庫化。いったいいつまで続くのだろう。
ノーベル賞受賞ということでちょっと期待をしていたけれども、一部の本は再販されたが、文庫化が進むといったこともなく、結局のところは外国人作家だからこの程度なんだねと思っていたら、岩波現代文庫が莫言の『続 赤い高梁』を出してくれました。うーん、これで積読のままの『赤い高梁』を安心して読むことができます。
東京創元社からは『20世紀星雲賞短編SF傑作選』が予告されていたけれども、ひょっとして国内作家だけを集めたものかなと思っていたら、やはりそうで、そこのところがちょっと残念。でもこれも日本SF作家クラブ50周年の企画の一つとしたらしかたがないか。
そろそろ途中で止まっている小川一水の<天冥の標>も電子書籍化されつつあるので読まないといけないと思っているのだけれども、そう思っているうちに『コロロギ岳から木星トロヤへ』なんてシリーズとは別の新作が出る。ちょっと書きすぎですよと言いたくもなるけれども、それに比べて、書かなすぎなのが森岡浩之。ようやく『星界の戦旗』が完結するみたいなんだけれども前巻までの内容は忘れてしまっているよね。
眉村卓コレクションが終わったと思ったら今度は皆川博子コレクションを出す出版芸術社。こっちも読まないといけないなあ。
いろいろと噂があったラファティの翻訳も、これまたいろいろとあって延びに延びてしまっていたけれども、ハヤカワ文庫からの奴が出たおかげか青心社のラファティの長編も順調に出そうな感じだ。

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