『ハレーション・ゴースト妖精作戦 PARTII』笹本祐一

著:　笹本祐一
販売元／出版社:　東京創元社
発売日:　2011/12/20

二巻目は一巻とのつながりはほぼ無い。
この後に続く残りの二冊が一巻の直接の続きの物語となっていることを思うと、今回は番外編という位置づけになるんだろうけれども、物語そのものがめちゃくちゃな勢いがあるのと同様、シリーズ全体の構成もめちゃくちゃな勢いに任せていたと結果ということでもあったのだろう。
しかしそれはともかくとして、初めて読む物語だというのに懐かしさで胸がいっぱいになるというのは一体どういうことなんだろう。
それはこの物語がそれだけ当時の雰囲気をうまく切り取っていたということでもあるし、登場人物や物語の展開に勢いがあるせいかもしれない。
今の基準とくらべてしまうとけっして読みやすいわけでもなく、登場人物もかなり大人びているのだが、物語の中で冷めた視点というものがなく、とにかく熱狂的で一途でそしてやたらとかっこつけたがっている登場人物たちのてんやわんやの大騒動をこうして大人になってしまった視点から眺めるのは、昔の自分を眺めるような感じでもあり、少し恥ずかしく、少し悲しく、照れくさく感じてしまうのだ。