『吉田秋生-夜明け-』吉田秋生 漫画編

  • 著: 吉田 秋生
  • 販売元/出版社: 小学館
  • 発売日: 2012/12/7

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さて、漫画編のほうだ。
既読が多いはずだと思っていたのだが、実際に読んでみると、はっきりと読んだ記憶があるのは3作で、残りは読んだ記憶すらない作品ばかりだった。
さらに収録された作品の中で最古のものは『カリフォルニア物語』原型短編とでもいうべき「ホテルカリフォルニア」なので絵柄がかなり異なる。
もちろんそれはそれでいいのだがしかし、『BANANA FISH』を経て『ラヴァーズ・キス』を経て『イブの眠り』まで経過したそれぞれの短編作品が一同に並ぶとなると、その変化の度合いを受け入れることができるのだろうかという不安もあった。
が、読み始めてみるとそんな絵柄の変化に対する不安などまったく杞憂だったのだ。
僕が吉田秋生の漫画を読み始めたのは『十三夜荘奇談』が出た頃なので『カリフォルニア物語』すでに完結していて、後追いで読んだのだが、しかし、「ホテルカリフォルニア」を読んで当時の諸々の事柄が頭に蘇ってきて懐かしさでいっぱいになった。
この本は吉田秋生の軌跡をたどる一冊なのだが、それと同時に自分自身の思い出の軌跡もたどる一冊でもあった。

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