やはり『特盛!SF翻訳講座 翻訳のウラ技、業界のウラ話』の文庫化だったけれども、文庫化にあたって、一部内容が削除され、代わりに他の内容が追加されている。
しかし、「特盛」という言葉が無くなったのでボリューム的には減少してしまったのかと思うとそうでもなく、文庫化にあたって追加されたあとがきを読むと、「特盛」という文字を取って「新編」にしたのは本の雑誌社で出ていた宮田昇の『戦後「翻訳」風雲録―翻訳者が神々だった時代』がみすず書房で『新編戦後翻訳風雲録』として出たのに習ってそうしたと書かれてあった。
僕は『戦後「翻訳」風雲録―翻訳者が神々だった時代』も『新編戦後翻訳風雲録』もどちらも買っているので、こういうことを書かれると買わないわけにはいかない気がして、結局買ってしまった。宮田昇の場合は増補改訂版ということで内容的には全体の五分の二ほど変更があったのでやむを得なかったのだが……。
追加分としては、岸本佐知子との対談が面白いが、何よりも浅倉久志の追悼エッセイがしんみりとさせられる。
また、翻訳家の月岡小穂が斉藤伯好の弟子達によるハウスネームだということを初めて知った。これも驚き。
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