『海獣の子供 5』五十嵐大介

  • 著: 五十嵐 大介
  • 販売元/出版社: 
  • 発売日: 2012/7/30

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雑誌での連載は去年の9月に完結していたのだが、それから最終巻である5巻がでるまでに一年近くが経過してしまった。
世の中には雑誌上での連載は終わっているのに単行本がなかなか出ない作家がたまにいて、出ない理由にはいろいろあるけれども、手直しをするためにひたすら時間がかかり、その結果単行本化が遅くなるというのもその理由の一つだ。その最たるのが、上条淳士と宇河弘樹だろう。で、五十嵐大介もその仲間入りをしたのかもしれない。
僕は単行本派なので、雑誌の連載は読んでおらず、だから単純に5巻が出るのを待っていただけなのだが、もう少し話が続くと思っていたのでこの巻で完結ということを知って少し驚いた、と同辞に不安が巻き起こった。
というのは、これだけの物語を残り一巻でまとめきる事ができるのだろうかという不安だ。
で、結局のところ、不安は的中したという感じで、ようするにこの物語は大きな世界のうねりを描いた物語であって、そのうねりはあまりにも大きすぎて全貌など理解できるものではなく、ただ、圧倒的なイメージの流れを感じ取るしかないのだ。
一夏の出来事としてはあまりにも長く、大きな出来事としてはあまりにも短く、理解できないものを五十嵐大介のビジュアルによってほんの僅かに知覚することができたにすぎない。

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