人が何故、物語というものを生み出したのかというと、理解出来ない物事を理解するためだ。
というようなことを誰かが言っていた、ような気がする。
誰が言った言葉なのか思い出せないし、正確な引用でもないので、ひょっとしたら僕が勝手にでっち上げたものかもしれない。
でも、物語という形をとると理解しやすくなることは確かだ。
では、その物語を文字という形態で読むのと、絵を組み合わせた漫画という形態で読むのとではどうだろう。
桜庭一樹の『荒野の恋』を、最初は小説という形で読んだ。
そして今度はタカハシマコが漫画にした『荒野の恋』を読んでいる。
巻末の次回予告を見ると、原本と同じく三巻で終わるようだ。
ちょっとばかり内容が省略されているような気もするけれども、だからといって物足りないのかといえばそんなこともない。
今回は鎌倉の街並みが少し登場したけれども、やはりタカハシマコの描く世界は鎌倉である必然性に乏しく、それは欠点というよりもよけいな夾雑物を必要としないタカハシマコの世界だからといえる。
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