酒見賢一の『泣き虫弱虫諸葛孔明』っぽい話かと思って読んだらだいぶ違った。
爆撃とついているだけあって聖徳太子のキャラクター設定は今までにない斬新さで、それでいてまるっきりのデタラメではなく現在に伝わっている聖徳太子という人物像というものを特殊な能力の持ち主であったという視点で解釈しなおしたものである。
しかし、だからといってこの物語が聖徳太子が主人公の物語であるかといえばそうではなく、小野妹子の視点から語られる物語となっている。
で、聖徳太子よりも小野妹子のほうが面白いのだ。
無論、小野妹子も常人離れしたキャラクターとして設定されているわけではない。あくまで真面目で小心者で、それ故に常人離れした聖徳太子にいいようにこき使われ、次から次へと悲惨な目にあわされるのである。
むちゃくちゃな話でありながら、わりと史実に忠実でそして、終盤の攻城戦などは聖徳太子抜きで切り抜けていたりと聖徳太子よりも小野妹子のほうが活躍しまくっていて、題名に偽りありのような感じもしていたのだが、最後の最後に本当に爆撃をしていて驚いた。
題名通りの話だったのである。
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