来月の気になる本 2012/8

『2(仮)』野﨑まど メディアワークス文庫
『かめくん』北野勇作 河出文庫
『ぼくらは虚空に夜を視る』上遠野浩平 星海社文庫
『絶望ノート』歌野晶午 幻冬舎文庫
『久生十蘭「従軍日記」』久生十蘭 講談社文庫
『カラマーゾフの妹』高野史緒 講談社
『許されざる者(上)(下)』辻原登 集英社文庫
『とある飛空士への誓約』犬村小六 ガガガ文庫
『高く手を振る日』黒井千次 新潮文庫
『継母礼讃』バルガスリョサ 中公文庫
『リトル・シスター』レイモンド・チャンドラー ハヤカワ・ミステリ文庫
『シップ・ブレーカー』パオロ・バチガルピ ハヤカワ文庫SF
『天冥の標(6)宿怨 PART(2)』小川一水 ハヤカワ文庫JA
『ブラックアウト』コニー・ウィリス 早川書房
『リッジウェイズ・ウーマン(仮)』リチャード・ニーリィ 扶桑社ミステリー
『僕のエア』滝本竜彦 文春文庫
『岸辺の旅』湯本香樹実 文春文庫
『天才までの距離』門井慶喜 文春文庫
『ビアンカ・オーバースタディ』筒井康隆 星海社
『クトゥルフ神話への招待 ~遊星からの物体X』J・W・キャンベルJr他 扶桑社ミステリ
『屍者の帝国』伊藤計劃/円城塔 河出書房新社
『青い脂』ウラジーミル・ソローキン 河出書房新社
来月は野﨑まどの新作が出る。今度はまだ仮題なんだけれども『2』だ。なんとも人を食ったような題名だけれども、ひょっとしたら仮題ではなく『2(仮)』が正式な題名なのかもしれない。だったらよけいに楽しみだ。
徳間ディアル文庫が失速してしまったせいで、このレーベルに収録されてた本が他の出版社から出るようになった。北野勇作の『かめくん』と上遠野浩平の『ぼくらは虚空に夜を視る』もその一冊だ。
犬村小六の新作は<とある飛空士>シリーズ。どこまで続けるのだろうと思うのだが、ついつい買ってしまうはずだ。
『一日 夢の柵』が面白くってそこで初めて面白さを知った黒井千次の『高く手を振る日』が文庫化。まだ早いかもしれないが、そろそろ老いるということといかに向き合うかを考えなければいけない歳になってきた身としては、こういう物語にも興味が移るのだ。
文庫化といえば、レイモンド・チャンドラーの『かわいい女』を村上春樹が新たに翻訳しなおした『リトル・シスター』が文庫化される。未読なのでこの機会に読んでみよう。
『ねじまき少女』『第六ポンプ』と順調に翻訳が進んでいるパオロ・バチガルピも長編二作目の『シップ・ブレーカー』が翻訳される。早いのはうれしいけれども、量産する作家ではないので後が途絶えるのが難点。
<新☆ハヤカワ・SF・シリーズ>は順調に隔月で出版されているので来月はコニー・ウィリスの『ブラックアウト』が出る予定。しかしいったいどれくらいの分厚さになるのだろうか。
児童物を書いているという印象のある湯本香樹実だが、実際は子供と老人が登場する話が多いらしい。で、今回の『岸辺の旅』は子供も老人も登場しない話ということで、しかも傑作らしい。
児童物ではなくライトノベルになるけれども、筒井康隆がライトノベルに挑戦した『ビアンカ・オーバースタディ』がとうとう一冊にまとまる。まともなライトノベルなのかそれともめちゃくちゃな話なのか、読むのがちょっと怖いな、これは。
『遊星からの物体X』が三度目の映画化ということで扶桑社ミステリからはなんだかとんでもない本が出る。『クトゥルフ神話への招待 ~遊星からの物体X』だ。キャンベルJrの短編の他にH・P・ラヴクラフトはもちろんのことラムジー・キャンベルの短編もあわせてというか、いったいどんな組み合わせなんだといわんばかりの不思議な組み合わせなんだが、物体Xまでもクトゥルフ神話にいれてしまうとは。
で、来月の問題作は二作、河出書房新社から出る。
一冊は『屍者の帝国』。ほとんどろくに書かれないまま中断された伊藤計劃の遺作を円城塔が後をついで書き上げるとは思いも寄らなかった。
もう一冊はウラジーミル・ソローキンの『青い脂』。

コメント

タイトルとURLをコピーしました