『読まずに死ねるか』内藤陳

  • 著: 内藤 陳
  • 販売元/出版社: 集英社
  • 発売日: 1985/08

Amazon/bk1

内藤陳を知らない?死んでほしいと思う
快楽亭ブラックの『立川談志の正体 愛憎相克的落語家師弟論』を読んでいたら、一行だけ内藤陳のことが書かれていた。
去年の11月21日、立川談志が亡くなって、それから約一ヵ月後の12月28日、内藤陳が亡くなった。
両者の死に関してマスコミでの扱われ方は雲泥の差だったのだが、それは同時に両者の生き方の違いであって、マスコミで大きく扱われたから凄いとかそういう問題ではないのだが、僕にとっては内藤陳の死の方が大きく響いた。
内藤陳という人物がいなかったならば僕は冒険小説というものを読もうとは思わなかっただろう。百歩譲って、読んだとしても、それはかなり歳をとってからようやく手に取っただろう。
内藤陳という、面白い本のオススメ屋がいなかったら、僕の人生は今よりも少しつまらない人生だったに違いない。
本棚から『読まずに死ねるか』を取り出して読み返してみた。
お勧めされていながら読んでいない本がまだたくさんあることに気がついた。
まあ、好みという問題もある。いくら内藤陳がお勧めしても、どうにも食指が動かない本もあるのだ。でもそれでも、内藤陳のオススメ具合を読んでいると、ついつい探して読みたくなる。
ジャック・ヒギンズに対する愛に満ちあふれているのもまたいい。
「ジャック・ヒギンズを知らない?死んで欲しいと思う」
この言葉は衝撃的だった。ここまで言い切れるという自信と力強さ。唯一無二の存在だ。
だから僕は内藤陳の代りにこう言いたい。
内藤陳を知らない?死んでほしいと思う

コメント

タイトルとURLをコピーしました