ま、とりあえず2巻目が出た。
前巻が出たのが2008年の5月のことだったからずいぶんと時間がかかった。
そういえば古橋秀之版、<龍盤七朝>シリーズのほうも前巻が出てから2年以上経過していて、まだ続きが出ない。両者ともどんどんと寡作となっているので困ったものだ。
秋山瑞人の場合はシリーズものでも途中で放棄してしまうので、読むほうとしてはたまったものではない。いや、シリーズものはおろか短編集ですら、早川文庫で予告されていながらいまだに出る気配がない、「おれはミサイル」と「海原の用心棒」とあと一編で一冊にまとまるはずだったのだが、とうとう気配すら消えてしまった。
3年以上も経過したのでどんな話だったのかすら忘れてしまっていたが、あとがきを読むと全2巻で完結させる予定だったらしい。でもこの巻ではまだ終わっていない。
しかし、どんな話だったのか忘れきっていても、この巻だけ読んでも面白いのがくやしいというか、うれしいというか。プロットもそうだけれども場面場面の描写を楽しむだけでも十分に満足できてしまう。
少し技巧に走りすぎている気もするけれども、秋山瑞人の小説を読むというのはそういうことなのだろう。
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