超常現象を科学で解明しようとする話はそれほど珍しいものではないけれども、この手の話は好きなのでついつい読んでしまう。超常現象を科学で解体していく過程が面白いのだ。
警視庁内に設立された、霊能力を使って鑑識捜査を行う警察庁科警研心理三室が主人公達の職場で、主人公達の仕事は犯人を捕まえることではなく、鑑識捜査を行うだけに過ぎない。
そして、心霊現象とおぼしき事件の鑑識を主人公達は、脳科学を用いて脳波測定による脳の部位の活動を観測することによって科学的に解体していくのだが、その観測は憑依能力をもつ少女に憑依させることによって行われるのだ。科学寄りでもなくオカルト寄りでもなく、解明の前提条件は憑依というオカルトで結論は科学というなかなか面白い組み合わせで、今までになかった新鮮さがある。
case 01、case 02と二つの事件が語られるのだが、主人公達と憑依能力を持つ少女との関係にもなにやら因縁めいたものがほのめかされ、シリーズ化される、というかここで終わってしまったら身も蓋も無くなってしまうので、是非とも続きが読みたいシリーズだ。
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