今年も残りわずかとなった。
妻は、今年はなんとか無事に過ごすことができたと言う。
僕と妻にとってこの先、良い年が訪れるということは無い。希望は捨てないが、起こり得ないことは望まない。
でも、妻が無事に過ごすことができたということは、今年はそれほど悪くはない年だったのだろう。
未読の本の山を見ると、やれやれと思ってしまう。
と同時に、既読の本の山を見ると、今年もけっこう読んだよなと思う。
多分、僕にとっても、今年はそれほど悪くはない年だったのだと思う。
「UFOを見たと、テレビでしゃべっている人がいる。私はUFOなんてあるわけないと思っている。でも、あの人たちは病気扱いされない。」
「でも、私は聞こえないはずの声が聞こえたと言っただけで、入院させられた。」
と、妻は言う。
違うのだよ。
UFOを見たと言っている人たちは、それを楽しんでいる。
でも、君は苦しんでいる。
だから助けたいと思った。
僕の気持ちは妻には届いていない。多分、やさしさの距離がとれていないせいなのかもしれない。
実際のところ僕はまだ、うまく、やさしさの距離を取ることができないでいる。
僕と妻とのやさしさの距離はどのくらいあればいいのだろうか。
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