『一一一一一』福永信

今年もあと一ヶ月あまりとなって、今年買った本は少しでも今年中に読んでおこうとラストスパートをかけなければいけないと思っているところで福永信の新作がでてしまった。
200ページちょっとと薄い部類に入る本なのだけれども、なにしろ福永信の作品だから手こずるのは目に見えている。そもそも、前作の『星座から見た地球』がまだ積読のままなので、そちらを先に読まなければいけないのだけれども、そうなると福永信の小説を二冊も読まなければいけなくなってしまう。
『星座から見た地球』は130ページと薄いのだけれども、『一一一一一』の方が文章に隙間がある。とりあえず『星座から見た地球』は買っていないことにして『一一一一一』の方をかたづけておくことにした。
で、恐る恐る読み始めると、そんなに手強くはない。二人の登場人物の会話で構成されているせいか、わりと読みやすいのだ。
しかし、読みやすいからといって油断していると、話が予想もつかない方向へと向かっていくのは今までの福永信の小説と同じで、気を許すと書かれている文章に置き去りにされてしまう。しかし、ここまで話を飛躍させながらも個々の繋がりの整合性を維持させているのは脱帽するしかない。
さらに驚いたのが、奥付の日付だ。
初版印刷が一一月一一日で発行が一一月二一日なのである。あまりにもあざとすぎる。

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