ジャック・カーリイが『百番目の男』でデビューした時、唖然とする真相が評判だったので気にはなったけれども、その唖然の度合いが良くも悪くも噴飯物ということでその時には読まなかった。
で、その後マイケル・スレイドにハマってしまったのでジャック・カーリイのことなどほとんど忘れてしまっていた。
しかし、今度の新作は評判が良いうえにジャック・カーリイの本は文庫にして400ページ程度と、ほど良い厚さなので読んでみることにした。なにしろ主人公の「僕」は警察官、兄は「連続殺人鬼」なのである。設定からして一波乱ありそうな設定だ。が、しかしちょっと失敗した。
全然気にしていなかったのでジャック・カーリイの翻訳された物がシリーズ物だったことに気が付かなかったのである。
本来ならば、一作目から順番に読むべきなのだけれども、ジャック・カーリイを四冊一気に読むだけの余裕がない。単独で読んでみても支障がないようなので前作を飛ばしてこれだけ読んでみたのである。
確かに面白い。
主人公が「僕」というだけあって、ある種の弱さと無鉄砲さと軽さとがサイコサスペンスに対して面白い効果を出している。
が、しかしこれはシリーズ物なのである。一作目から順番に読んで、主人公と付き合ってきた結果、この本を読むのと、いきなりこれだけを読むのとでは面白さが異なるのは当たり前だ。
読み終えて、後悔してしまった。
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