『角のないケシゴムは嘘を消せない』白河三兎

前作の雰囲気はそのまま残っているので前作の雰囲気が好きだった人は安心して読んでもいいと思う。
ただし、前作のような話ではないので、前作のような話を期待した場合はがっかりするかもしれない。わたしはがっかりした側だった。
二作目は必ずしも一作目と同じような話を書くわけではないだろうとは思っていたが、前作の雰囲気も好きだったし、前作のような話も好きだったので、不安半分で読み始めてみると、唐突に透明人間が登場して驚いた。
透明であることに対して合理的な説明がなされるのであればSF小説になってしまうわけで、わたしはこの作者にSF小説を期待していたわけではない。逆に透明であることに対してそれほど合理的な説明がなされないまま、そういうものなのだ的にすすめられてしまったら、それはそれでやはりがっかりしてしまうだろう。
で、結論からいえば満足したともいえるし満足できなかったともいえる。合理的な説明に関しては許容範囲であったし、物語の雰囲気や着地の仕方も悪くはない。
ただ、いろいろなものを詰め込み過ぎた感じがして、もう少しそぎ落として絞ってみても良かったんじゃないかと思えるのだ。

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