ここしばらく平穏な日々が続いていた。
このまま永遠に続けばいいなと思いつつも、それば叶わぬ思いであることも理解していた。
平穏な日々が長く続けば続くほど、反動は大きい。
平穏という、まるで春の日差しを受けた縁側の、ぬくぬくとした暖かさと心地よさの中で、これは夢なのだ、そろそろ夢から目覚めるだろうし、目覚める覚悟をしなければいけないという気持ちもあったおかげで、ひとまずはその反動を受け止めることができた。
よいときもあればわるいときもある。
最近よく、「八本脚の蝶」と二階堂奥歯さんのことを思い出す。以前にも書いたけれども二階堂奥歯さんとは何の面識もない。ネットで偶然、その存在を知っただけであり、そして衝撃を受けた。
今ならば彼女が自死を選んだ気持ちも、そして彼女の周りの人たちの気持ちもよくわかる。
いや、わかる気がするとしておこう。よくわかると言い切ってしまうのはおこがましいことだ。
あえて、今も残っている、「八本脚の蝶」へリンクを張っておく。
こんなに辛い思いをしながら、それでも生きていかなければいけないの?
今のわたしには答えることの出来ない難問だ。
本を読むことで救われる人生がある一方で、本を読んでも救われない人生もある。そして幾ら本を読んでも救ってあげることのできない人生がある。
だからといってあきらめることはしない。まだ答えることができないでいるからだ。
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