台風が近づいているらしい。今日も雨だ。
そろそろ洗濯物が溜まりだしたので洗濯もしなければいけないが部屋干しになってしまうんだよなあ。
今朝の熱は36.5度。平熱は36.2度くらいだったと思うのだが、ひょっとしたらこれが平熱か?
いつも通りの時間にアパートを出て、妻の病院へ。
しかし、面会時間が九時半なので、いつも通りに出ると二十分くらい病院の駐車場で待っていなくてはいけない。
妻の今日の機嫌はどうだろうか。病室に近づくに連れて不安になる。あまりニヤニヤせずいたずらに嫉妬心をあたえるような顔つきもしては駄目だ。
今日の妻も穏やかだった。
「雨なのに悪いわねえ」
妻は差し入れを楽しみにいていたようだ。
頼まれていたノートとペン、占いの本などを手渡す。
ノートをぺらぺらとめくりながら、もっとかわいいのが良かったのにと文句を言うが、それほど棘は含まれていない。
「これで交換日記をしましょ」と妻は言った。
生まれてこの方、交換日記などしたことは無かったし、結婚してもうかなり経つのだから、交換日記など一生する事などないと思っていたが、妻が喜ぶのなら、しても構わないだろう。
「手がぷるぷる震えるからうまく書けないかもしれない」
「そういったことは先生に言っておいた方が良いよ、今は薬の調整中だから副作用とか出たときには言わないと」
「うん、それは言った。昨日は頭痛がしたので言ったら薬が増えたけど、今日は頭の中がスッキリしている」
「それは薬が効いてきたってことかもしれないね」
「あの先生、頭のいい人みたいね。最初は気の強い先生のようだったので、ちょっと困っていたけど」
妻と主治医の先生との信頼関係も少しは出来てきているみたいだった。
「ちょっと待って」と妻は言い、隣のベットも人に話しかけた。
私をとなりで入院している人に紹介してくれたのだ。
妻にとっては良い環境になり始めているのではないだろうか。
この後、会社へ行かなければいけないので面会時間は三十分程度だった。
病棟の扉を開けてくれた看護師さんが、「どんな感じですか」と聞いて来たので、「ここしばらくは落ち着いてきた感じです。前は私のことなど信頼出来ないって言いまくっていたんですけど、最近は減りました。後、手がぷるぷるとする震えは気にしていました」と答える。
無論、まだ妻は私を許してはいないだろう。何かのきっかけで、心のバランスが崩れればまた私を非難するだろう。でも誰だって普通そうじゃないか。
しかし、交換日記をはじめることになってしまったので、やることがまた一つ増えてしまった。
経過報告32
10/6
コメント