日常

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向き合うこと

週末、相談に乗ってもらっている障害者相談支援事業所の人と一緒に精神障害デイケア施設を見学に行った。もちろん妻も一緒だ。日中、一人っきりで居る事の多い妻が少しでも孤独感を癒すことが出来る方法の一つとして、施設を検討してみたのだ。感じは悪くはな...
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見えないところで起こっている何か

去年の後半から治療し続けていた歯の治療がようやく終わった。ある日突然奥歯が痛み出し、一日経っても痛みは取れず我慢できなくなったために仕方なく歯医者に行くことにした。仕方なくといっても歯医者が嫌いだから仕方なく行ったということではない。行くの...
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僕と妻の1778の物語

『僕と妻の1778の物語』を妻と一緒に見に行った。『妻に捧げた1778話』は読んでいたので実際はどうであったのかは知っていたし、本来ならば好き好んでまで映画館に足を運んで見に行く系統の映画ではなかったのだが、映画の主人公がSF作家であるとい...
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シュレーディンガーの猫

津原泰水の『瑠璃玉の耳輪』はかろうじて年内で読み終える。続けて堀江敏幸の『ゼラニウム』を読みつつ新しい年を迎えようとしたけれども、結局は妻と一緒にテレビを見ながら過ごしてしまう。年明けは妻の実家で過ごしたので、エドモンド・クリスピンの『愛は...
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心の値段

妻は、生き続けている限り、再発しないために薬を飲み続けなくてはいけない。統合失調症の場合、薬を飲まない場合の再発率はかなり高いとされている。この統計データに疑心暗鬼な部分もないではないが、しかし、だからといって薬を飲む事を止める決断ができる...
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難問

ここしばらく平穏な日々が続いていた。このまま永遠に続けばいいなと思いつつも、それば叶わぬ思いであることも理解していた。平穏な日々が長く続けば続くほど、反動は大きい。平穏という、まるで春の日差しを受けた縁側の、ぬくぬくとした暖かさと心地よさの...
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小さな世界

ハムスターを飼っている。日中、一人っきりで過ごしている妻が寂しがらないようにと、飼い始めた。アニマルセラピーというものがある。動物と過ごすということは妻の為にもなるかもしれないと思っている。本来ならば、コミニュケーションを取りやすい犬を飼っ...
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三つの世界

私は今、三つの世界を生きている。一つ目は、現実の世界。二つ目は、妻のいる世界。そして三つ目は、本の世界。三つの世界はわずかに重なり合うだけの、別世界だ。残念ながら、妻の病気は偏見と差別が根強く残っている。多分これは、どうしようもないことだ。...
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願わくば平穏な日々を

土日は、費やせる限りほとんど全ての時間を、妻のために時間を費やしている。妻と一緒に買い物をし、妻と一緒に食事を作り、妻が安心する限り妻の傍らにいる。この世界に対して一人で外に出ることは妻にとって、とても苦しい行動となってしまった。妻にとって...
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四百八十回

月に一度、妻は通院する。月に一度、私は妻に付き添って通院する。私と妻がこの先四十年生きるとしたら、あと四百八十回、通院しなければならない。その間に医学が発達して、病気を治す方法が見つかるかもしれない。そうすれば、通院回数は減る。しかし、それ...
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