漫画

漫画

『25時のバカンス』市川春子

市川春子の絵は眩しい。白と黒のコントラストが強い絵なのでそう見えるのだが、読んでいてその眩しさにとまどう時がある。しかしその眩しさとは裏腹に、そこに描かれている世界は不思議に満ちていて、その不思議さをありふれた日常の世界に詰め込んでいる。表...
漫画

『平凡倶楽部』こうの史代

コミックエッセイなので、まあそれほど慌てて読まなくってもいいかと思い長いことほったらかしにしておいたが、こうの史代のことを甘く見すぎていた。甘かった。ウェブ平凡で連載していたものを一冊にまとめたもので、今現在でも一部は読むことが出来るのだが...
漫画

『夢みごこち』フジモトマサル

荘子の話の中に「胡蝶の夢」という話がある。「胡蝶の夢」に対して文句を言う人間はいないだろうけれども、「それまでの出来事はじつはすべて夢だった」という形でむりやり物語を終わらせてしまう、いわゆる「夢オチ」には文句を言う人間はいる。夏目漱石の「...
漫画

『土星マンション 7』岩岡ヒサエ

地球全部が保護地区となり、地表で暮らすことができなくなった未来。人類は土星のリングのような形で地上から35,000メートル上空で浮かぶ巨大なリングを作り上げ、そこで生活をし始める。設定だけをみればハードSFなのだが、そんなハードSF的な巨大...
漫画

『大東京トイボックス(7)』うめ

昔から物を作るということが好きだった。だから結局今でも物を作るという事を生業として生きている。しかし仕事をするのは生活の為なので、仕事の上で作る物は誰かの為に作る物だ。誰かの為になるものを作ることであっても作ることに変わりはないので嫌いでは...
漫画

『海街diary 4 帰れない ふたり』吉田秋生

巻末の予告を見る限りでは五巻までは出そうだ。主となる物語が存在しないので、この話が何処まで続くのかわからない。『BANANA FISH』のような長編作品ではなく、緩やかに繋がる連作短編なので描こうとすればいくらでも描けるだろうから、長く続い...
漫画

『花ボーロ』岩岡ヒサエ

岩岡ヒサエという漫画家の存在を知ったのが『土星マンション』からだったので、それ以前の作品を読んでいなかった。まあそれほど慌てて読まなくってもいいかとのんびりと構えていたのだけれども、のんびりと構えているうちに初期の本は近所の書店の棚から消え...
漫画

『星を継ぐもの 1』星野之宣

星野之宣は過去にもJ・P・ホーガンの作品を漫画化したことがあって、その時も結構面白い仕上がりになっていた。ホーガンはハードSFの書き手だけれども星野之宣もSF作品を見る限りではハードSFの描き手といえるし、どちらも科学的にきっちりしたハード...
漫画

『銀の匙 1』荒川弘

完結したら一気に読んでしまおうと思っていた『鋼の錬金術師』は27巻にも及ぶ長編になってしまったのでなかなか読むというところまで踏ん切りがつかなくなってしまった。もちろん27冊程度ならば読むのはそれほど問題ではないけれども、読むということは自...
漫画

『高橋留美子傑作集 運命の鳥』高橋留美子

もの凄く久しぶりに短編集が出たと同時にもの凄く久しぶりに高橋留美子の漫画を読んだ。高橋留美子の漫画は嫌いではないけれども、それほど読んでいない。というのも描く話が大長編となる場合が多いからだ。連載作品は平気で10年近く続く。なのでデビューし...
タイトルとURLをコピーしました