講談社文庫

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『風の中のマリア』

主人公はわずか三十日の命。それというのも主人公はオオスズメバチの働き蜂だからだ。オオスズメバチの働き蜂を擬人化して主人公にし、オオスズメバチの生態を描き出す。この本を一冊読めばとりあえずオオスズメバチの生態はわかったような気にはなる。で、な...
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『天使の傷痕』西村京太郎

十津川警部物を書き始めてから西村京太郎の作品は読まなくなってしまったのだが、それ以前はわりと読んでいた。アリバイ崩しというものがあまり好きではなく、トラベルミステリ=アリバイ崩しという印象があったせいでだ。トラベルミステリが即、アリバイ崩し...
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『ハヅキさんのこと』川上弘美

作者いわく「エッセイの体裁をとった小説」とのこと。一編一編が10ページにも満たない掌編で、どの話から読んでもかまわないし、どの話で本を閉じてもかまわないのだが、止めどきが見つからず、ついついだらだらと最後まで読んでしまう。読んでいるその瞬間...
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『ムーミン谷の冬』トーベ・ヤンソン

「おしゃまさん」と「めそめそ」が登場する。アニメの「めそめそ」はしゃべらなかったけれども、こっちはしゃべるし、ムーミンになつくわけではない。しゃべるからには「めそめそ」は、自分が何物であるかという確固たるものを持っていて、そしてムーミンの物...
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『浜村渚の計算ノート』青柳碧人

『NUMBERS』というアメリカのドラマがあって、数学で犯罪を解決するという話で興味があったのだけれども、そのドラマの解説書は読んだくせに肝心のドラマのほうは未だに見る機会がないままだった。この本も数学で事件を解決する話なのだが、事件を起こ...
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『エコール・ド・パリ殺人事件』深水黎一郎

デビュー作の方が先に文庫化されるかとおもったら次作の芸術探偵シリーズの方が文庫化された。受賞作だからといって必ず文庫化されるわけではないのがメフィスト賞なのだけれども、デビュー作の『ウルチモ・トルッコ』も未読なのでいつか文庫化されるといいな...
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『凍りのくじら』辻村深月

ずっと気になっていた本なんだけれども、ようやく読むことにした。辻村深月の本はデビュー作にしろ、その次の作品にしろ分厚いのでちょっと怯んでいたのだ。そのせいで三作目も読むきっかけがつかめずそのままにしていた。で、今回読んでみようという気持ちに...
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『鍵』乃南あさ

講談社文庫でムーミンフェアが始まって、その中のプレゼントの一つである扇子がほしくなったのだが、期間中に読みたい新刊だけを買っても応募点数が貯まるかどうか微妙なところなので、ムーミンフェアの対象となっている講談社文庫を買い始める。乃南アサの『...
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『ムーミン谷の夏祭り』トーベ・ヤンソン

ムーミンママがおもちゃの船を作っているところから物語は始まり、そしてそのおもちゃの船で物語は幕を閉じる。そして船という存在が暗示するがごとくムーミン谷は水没し、ムーミントロールとその仲間達は水没した家を抜けだし、水に浮かび漂っていた劇場に移...
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『ムーミンパパの思い出』トーベ・ヤンソン

最初の文庫化では六冊目として出版されたのだが、本国では三冊目として出版されているので、今回の新装版では本国と同じ順番で出版されたこととなる。時系列的には『たのしいムーミン一家』の後の話となるはずだが、今回はムーミントロールがうんと小さな頃の...
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