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『医者の本棚、作家の本棚』石黒達晶

石黒達昌の新刊が出た。といっても小説ではなく、今までに書かれた小説以外の文章、エッセイやインタビュー、書評、文庫解説などを集めたものだ。小説の新作ではなかったことは少し残念でもあるけれど、一冊にまとめることができるほどの文章がまだ残っていた...
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『なめらかな世界と、その敵』伴名練

いやあ、ようやく読み終えました。といっても難解だったというわけでもなく、単に自分の読書ペースが遅かっただけなんですが。巻頭に配置された表題作「なめらかな世界と、その敵」は読み始めてすぐになん何だこれはと頭の中にクエスチョンマークが浮かび上が...
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『恩讐の鎮魂曲』中山七里

前作の『追憶の夜想曲』の結末で、もう続きなんて書くのは困難なんじゃないのか、あるいは消化不良気味だけれども、主人公の行く末は読み手がそれぞれ勝手に考えればいいだけで、物語としてはこれで終わってしまってもかまわないよなあ、と思うくらいの終わり...
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『闇の歯車』藤沢周平

藤沢周平は<隠し剣>シリーズ の二作を読んだだけだった。時代小説を書く作家なのであまり僕の守備範囲ではない作家だったけれども<隠し剣>シリーズはかなり面白かった。とはいえども他の作品まで食指を動かすかというとそうでもなかったのだが、ふとした...
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『BEASTARS 15』板垣巴留

前巻でとうとう悪らしい悪が登場したのだが、その一方でちょっとこの世界には場違いな気もした。というのもここで描かれた悪というのが決定的な悪で、たしかにこれまでにおいても善悪における悪の存在は描かれていたが、それでも一方的な悪ではなくこの世界に...
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『ヒナちゃんチェンジ 1』梶川岳

思春期の男女の精神が入れ替わってしまうという物語はそれほど珍しくはない。古くは山中恒の『おれがあいつであいつがおれで』、新しいところだと新海誠の『君の名は』なんかがある。とはいってもこのテーマの物語を僕はそれほど読んでいないので、ほかにもも...
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『君のくれるまずい飴 冬虫カイコ作品集』冬虫カイコ

女性同士の恋愛を描いた百合というジャンルがちょっとしたブームになっている。漫画もそうだが今年は小説の分野でも百合SFアンソロジーが組まれたりした。僕はあまりそういったジャンルに思い入れも興味もないので、それほど深入りすることもなく、内容的に...
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『密造人の娘』マーガレット・マロン

復刊された時にあらすじをみて、面白そうだなと思い買ったものの、いつものごとく積読にしていた。積読本も消化しないといけないなとおもい、ようやく重い腰を上げて読み始めたのだが、これがどうして、遅々として先にすすまない。決してつまらないわけではな...
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『バジーノイズ 4』むつき潤

自分のためだけに自分の好きな音楽を作ってそして一人で聞いていた青年、清澄。そんな彼の音楽に魅了され、そして彼の音楽を外へと放とうとした潮。しかし清澄が音楽仲間とともに一枚のアルバムを作り、そして本格的な音楽活動へと向かって行き始めたとき、潮...
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『夜よ鼠たちのために』連城三紀彦

買ったまま積読になってしまい気がついたら5年も経っていた。いいかげんに読んでおかなければと引っ張り出してきて読む。巻頭の「二つの顔」からして連城三紀彦らしさあふれる強烈な謎で、ホテルで殺された人物が自分の妻らしいとのことで身元確認をしてほし...
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