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『惑星の影さすとき』

『無限大の日々』につづく八木ナガハルの二冊目の単行本。一話単位で電子書籍として販売されていたけれども、やはりこうしてある程度まとまった形で読むことができるのはありがたい。同人活動だけだと思っていたら商業誌にも掲載されていたことがあったようだ...
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『掃除婦のための手引き書』ルシア・ベルリン

死には手引き書がない。どうすればいいのか、何が起こるのか、誰も教えてくれない。今まで全然知らない作家だったけれども、久しぶりに見た瞬間にこれは面白い本じゃないかと感じた。320ページほどで24篇+リディア・デイヴィスによる気合の入った序文と...
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『殺さずにはいられない』小泉喜美子

『痛みかたみ妬み』が売れたらしく、その結果こうして次の作品の復刊が成立した。小泉喜美子というと、『弁護側の証人』『血の季節』が代表作で、あとは個人的には『ダイナマイト円舞曲』も入れたいところだが、どれも長編。短編に関してはどうなのか、という...
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『名も知らぬ夫』新章文子

まさか新章文子の短編集がでるとは思わなかった。僕は江戸川乱歩賞を受賞した『危険な関係』しか読んでいなかったが、『危険な関係』はけっこう面白かった記憶がある。なにしろ読んだのは30年以上も前のことなのでどんな話だったのかすら忘れてしまっている...
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『週末の鳥人間』雀野日名子

『終末の鳥人間』のもう一つの話。といっても、続編ではないし、同じ世界の別の登場人物に目を向けた話でもない。『終末の鳥人間』では某国の軍事行動が活発になり戦争へと向かっていく絶望的な世界だったが、こちらはそれが起こらなかったIFの世界の物語な...
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『タイム・リーパー』大原まり子

正直な話をすれば僕は大原まり子の熱心なファンではない。なので全部の作品を読んでいるわけではなく、その時々で興味をもった作品を読んできただけだった。それはたぶん、大原まり子がSF作家としてだけではなく、1980年代という時代性をもった作家であ...
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『バジーノイズ 3』むつき潤

曲作りの才能がありながらあくまで自分自身のためだけに曲を作り、自分のためだけに演奏する。自分の作った曲を聞いてもらいたいとか、いわゆる承認欲求とかそんな気持ちなどまったくない主人公。今までにないタイプの人間を主人公とした音楽漫画ということで...
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『水は海に向かって流れる 1』田島列島

主人公は高校一年の男の子。通っている学校から近いということで家を出て、叔父さんの住んでいるシェアハウスで生活をすることにする。主人公の叔父は会社員として働いていたが漫画家としても活動をしている。そして会社のほうは少し前にやめてしまって漫画を...
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『デブを捨てに』平山夢明

厭なことがあった顔だった。他人の鼻血で真っ赤になったおにぎりを喰わされたらこんな顔になるのかもしれない底辺の人々を主人公にして、彼らのいる場所から少し上の方向へと向かっていくんじゃないのかなという淡い希望を見せながらも、彼らのいる場所はいう...
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『サターンリターン 1』鳥飼茜

『先生の白い嘘』は扱っている題材が題材なのでちょっと敬遠していて、『おんなのいえ』は二巻まで読んだけれども、これはこれで面白いけれどピンとくるものがなく、『ロマンス暴風域』はまだ手を出していない。そんななかで『マンダリン・ジプシーキャットの...
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