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『恐怖』コーネル・ウールリッチ

コーネル・ウールリッチあるいはウィリアム・アイリッシュの作品で面白いのは1948年までに書かれた作品だという意見がある。短編はさておき、長編に関していえば『喪服のランデブー』が1948年の作品で、いわゆるブラックシリーズは全て1948年以前...
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『ふたえ』白河三兎

若い頃はミステリ小説を読むときには犯人が誰なのかとかトリックはどうなのかを推理しながら読むということをしていたけれども、歳をとるにつれてあまりそういう読み方をすることはしなくなった。当てようとしても当たらないという理由もおおきいけれども、謎...
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『勇者たち』浅野いにお

浅野いにおはたぶん、何かを手に入れたのだろう。その何かがなんなのかをうまく説明することが僕にはできないのだが、浅野いにおの漫画を読み続けてきて、その変化を感じていると、そうなんじゃないかと思えて仕方がない。『勇者たち』はロールプレイングゲー...
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『殺人はお好き?』小泉喜美子

小泉喜美子の処女長編。書かれたのは1962年、今から50年以上も昔のことだ。50年以上も昔で、当時の風俗描写でありながらも読んでみると古びていない。もちろん古いと感じさせる部分はあるけれども、それは単に古いだけであって、今でも通用する古さだ...
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『空挺ドラゴンズ 4』桑原太矩

主人公たちの船が別の船と衝突し、修理しなければ航行が困難な状況に追い込まれる。しかし、修理をするだけのお金のない主人公たちは廃業しなければいけない切羽詰まった状態なのである。物語が始まって早々、まったく違った観点から危機的状況に追い込まれて...
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『スキップとローファー 1』高松美咲

『カナリアたちの舟』の高松美咲の新作が出た。『カナリアたちの舟』は2016年だったのでそれっきりになってしまったのかと思っていた、というか忘れてしまっていたのだが、SFとして面白かったので今後の活躍を期待していたけれどもなかなか新作が描かれ...
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『春風コンビお手柄帳』小沼丹

小沼丹の単行本化されていない小説があって、さらにその小説がミステリだということでこれは万難を排して買うしかなかった。といっても小沼丹は好きな作家だけれどもそれほど読み込んでいるわけでもない。まだまだ読んでいない作品は残っているのだが、そもそ...
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『10歳かあさん』小路啓之

息子15歳、母親10歳。突然の事故で亡くなった小路啓之の未完の物語。『ごっこ』と同様に家族を描いた物語になるはずだったのだが、まだ物語らしい物語、つまり、母親が10歳であることに対する物語が駆動し始める前に作者は亡くなってしまったので4話ま...
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『死と砂時計』鳥飼否宇

世界中から集められた死刑囚を収容する監獄が舞台。もちろんそんな刑務所が実在するわけではないので、その監獄があるのはとある中東の架空の小国であり、その小国は石油の産出国であるが、石油に変わるビジネスとして世界中から死刑囚を受け入れ、そして刑の...
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『水上悟志短編集「放浪世界」』水上悟志

水上悟志の漫画を読むのはこれが初めてだ。この本に収録されている「虚無をゆく」がWEB上で無料で公開されていた時にそれが評判だったので読んでみて驚いた。主人公はとある団地に住む少年。どこにでもある普通の団地でどこにでもいる普通の少年の話として...
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