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『ありきたりの狂気の物語』チャールズ・ブコウスキー

もらったものを出してセロファンをはがした。チーズに似ていた。チーズのようなにおいがした。一口かじってみた。チーズの味がした。この本に収められた短編において主人公が酔いどれか競馬をやっているか詩人だった場合、殆どにおいてその主人公の名前はブコ...
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『不思議の国の殺人』フレドリック・ブラウン

僕が持っているのは1964年に発行されたもので、栞紐が付いていたころのもの。定価は150円と僕の生まれる前の古い本だ。タイトルから想像できるように、ルイス・キャロルの『ふしぎの国のアリス』を彷彿させる事件が起こるミステリ。フレドリック・ブラ...
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『猫村博士の宇宙旅行』杉谷庄吾

恒星間飛行が可能な宇宙船を開発した猫村博士は宇宙の真理の探究のため宇宙の果まで目指し、地球を出発する。というのは建前で学生時代からひたすら宇宙船開発一筋で女の子と知り合う機会もなかったことから、宇宙を旅してそこで出会った美女たちをあつめてハ...
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『空電ノイズの姫君 2』冬目景

二巻が出てすぐに買ったのはいいが、読むのがもったいなくてしばらく放置していた。しかし、とうとう我慢できなくなって手にとって読んでしまった。バンドのギターとして音楽活動に参加することになった主人公だが、そのことをなかなか父親には言えずに悶々と...
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『人魚ノ肉』木下昌輝

人魚の肉を食べたがために不老不死となった八百比丘尼の伝説がある。高橋留美子も人魚の肉を食べて不老不死となった人間を主人公とした一連のシリーズを漫画として描いている。木下昌輝のこの本は、坂本龍馬や沖田総司といった幕末の志士たちが人魚の肉を食べ...
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『BEASTARS 11』板垣巴留

ようやく1巻の冒頭で起こったアルパカ殺し、いやアルパカ喰殺事件に決着がつく。一時はアルパカ殺しは物語を駆動させるためだけの装置にすぎず、真相はあきらかにされないまま突き進んでいくのかと思ったりもしたけれど、いろいろな意味で予想外の形で決着が...
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『五佰年BOX』宮尾行巳

幼馴染の家の倉のなかから見つけた古い木の箱の中は中世の日本と繋がっていた。と書くとその木の箱がタイムトンネルになっていると思うかもしれないが、単純なタイムトンネルではなく、木の箱の中に中世の日本の世界が小さな世界として収まっているのだ。つま...
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『BABEL 1』石川優吾

石川優吾による新解釈、南総里見八犬伝である。作者のインタビューによるとかなり昔から構想はあったらしく、それがようやく実現可能のなったらしい。とはいっても人気がなければ構想半ばで打ち切りになってしまう可能性もあって、どのくらいの規模の構想があ...
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『海街diary』吉田秋生

いや、長かった。といっても悪い意味ではない。なにしろ雑誌連載が隔月刊はおろか季刊でもない4ヶ月に一回というゆっくりとしたペースで連載していたので、一年経っても3話。単行本化する場合でも4話必要なので単行本は一年以上経たないと続きが出ない。も...
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『時間線をのぼろう』ロバート・シルヴァーバーグ

ロバート・シルヴァーバーグの翻訳が止まって久しいのだが、未訳作品ではないものの過去に翻訳された『時間線を遡って』の新訳がでた。翻訳はなんと伊藤典夫であり、タイトルも『時間線をのぼろう』に変わった。東京創元社から出ていたシルヴァーバーグの作品...
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