histoire

histoire

書き割りの向こう側

1989年にデビューして1992年には最初の単行本が出たのに2010年に『海辺へ行く道 夏』が出るまで僕は三好銀という漫画家の存在を知らなかった。連載していた雑誌を読んでいなかったころなので無理もない話なのだが、かといって読んでいたら、単行...
histoire

『無傷姫事件』

前巻の『残酷号事件』が出てから約7年ぶりに<戦地調停士>シリーズの新作が出た。もっとも『残酷号事件』からしてその前の『禁涙境事件』から4年経って出たのだから、そのことを考えると、次第に刊行ペースが伸びていってしまうのは仕方がないかもしれない...
histoire

お返しと仕返しはお早めに

角川春樹が書いた自伝ではなく、インタビューを元にしたものらしい。が、とにかく面白い。そもそもタイトルからして喧嘩を売っているとしか思えないタイトルであるし、それぞれの小題や、小見出しもふるっている。例をあげれば、お返しと仕返しはお早めにとか...
histoire

別々の道を同じ方向を見て少し後ろを歩いて行く

雲田はるこの『昭和元禄落語心中』10巻という区切りの良い巻数できれいに終わった。しかし、その構成はというと少し変則的で、1巻では刑務所帰りの元チンピラが落語家に弟子入りするという展開で、その展開からすればこの元チンピラが主人公の物語のように...
histoire

『不死の猟犬』

『不死の猟犬』が面白い。死なない世界が舞台のアクション漫画というのは間違っていない説明だけれども、この漫画の特異な部分はそこではない。死なないからといって不死身なのかというと、必ずしもそうではなく、撃たれれば死ぬし、高いところから落ちれば死...
histoire

最初の一行

この本は、古今東西の物語の書き出しの一行だけを集めた本である。というのは嘘である。この本に集められたのはこの世に存在しない、ひょっとしたら存在するのかもしれないが、一般的には陽の目を見ることのない架空の物語の書き出しの一行である。そんな、あ...
histoire

ワンダーランド

ワンダーランドというタイトルと表紙の雰囲気から『ふしぎの国のアリス』を彷彿させる。しかし、『ふしぎの国のアリス』はお伽話であり、ハラハラドキドキはあっても殺伐とした物語ではないのに対して、石川優吾が描くワンダーランドの世界は殺伐としている。...
histoire

ロマネスク

剣は登場するけれども、魔法は登場しない異世界ファンタジー+ミステリ。文庫にして300ページほどのコンパクトにまとまった本だ。ある使命を受けて砂漠の中にある架空の国に訪れた主人公が巻き込まれる事件の顛末を描いた物語なんだけれども、解説にも書か...
histoire

『ごっこ』 追悼 小路啓之

主人公は30歳男性、独身、引きこもり、オタク、ロリコン、そして3歳になる娘と一緒に生活している。最後の部分だけがそれ以前のプロフィールと矛盾しているのは、その娘は主人公が誘拐してきた娘だからだ。では主人公は完全なクズなのかといえばそうとも言...
histoire

ラストマン

思っていたよりも早く2巻が出た。というよりも2巻が出てよかった。売れ行きが悪ければ途中で翻訳中断してしまう可能性は残っているけれども、そもそも本国でもまだシリーズ継続中なので、完結するまでは続いて欲しい。ドラゴンボールでいうところの天下一武...
タイトルとURLをコピーしました