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猟人日記

戸川昌子が亡くなった。とはいっても戸川昌子って誰だと思う人も多いだろう。作家活動をしていたのは1980年代付近までだし、全盛期は1960年代から1970年代あたりだろうから、今から50年近く昔のことだ。かくいう僕自身も戸川昌子の小説を読むの...
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宇宙大怪獣ギララ

白山宣之の新刊が出た。もともと寡作なうえに単行本化も熱心でなかったと聞く。そのせいか、メジャーな場所で話題に上ることもなく、マイナーな作家として終わってしまったけれども、それはその作品の良し悪しとは異なる。売れなければダメだという意見もある...
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息を吐くように嘘を吐く

この世の中で最も面白いエッセイを書く人を3人挙げよと言われたら岸本佐知子と池上永一は真っ先に挙げる。で、あと一人はどうするかというところで随分と迷うのだが、とりあえず残りの一人に関しては今は挙げる必要もないので空席にしておく。世の中には息を...
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冒険小説

僕はSF小説が好きなのだがここ数ヶ月、あまり読む気が起こらない。それでも気になった本は買っているので、どんどんと未読の本が増えていく。では本そのものを読まなくなったのかといえばそういうわけではない。ここ数ヶ月はノンフィクションだったり、ミス...
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感情はバグか

有永イネの新刊が二冊同時に出た。前作の『かみのすまうところ。』が完結してからしばらく音沙汰無し、といっても僕の場合は雑誌連載を読むのではなく単行本になってから読むうえに作者のサイトを定期的にチェックするといったようなことも行なっていないので...
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すべてが幸せになる

一色まことの『ピアノの森』がとうとう完結した。一巻が出たのが1999年の8月だったから、16年という歳月だ。途中で休載となり3年ほどブランクが開いたり、掲載誌が変わって中断し、そしてまた連載が再開されることとなってもそれ以降、何度も中断した...
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『回遊の森』と人には言えない個人の秘密

個人情報というものがいろいろと問題視されるようになって随分と時間が経っているが、日本における個人情報の法律的定義に関していえば勘違いしている人はまだまだたくさんいると思う。つまり、住所や氏名、電話番号といった個人を特定できる情報だけが個人情...
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先月の読書録

『衣更月家の一族』深木章子『猟人日記』戸川昌子『キングを探せ』法月綸太郎『死の接吻』アイラ・レヴィン『キラリティ』大石まさる『人工知能は人間を超えるか』松尾豊『健康で文化的な最低限度の生活(2)』柏木ハルコ『冒険者たち-ガンバと15ひきの仲...
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『イスラム飲酒紀行』

高野秀行の『イスラム飲酒紀行』を読んだ。ノンフィクション作家の高野秀行がイスラム圏で取材をしにいって、なんだかんだいって酒を飲もうとする話だ。もちろん、本来の目的は酒を飲むことではなく、その国の取材なんだろうけれども、高野秀行の行動はそんな...
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2015年に読んだ本

去年読んだ本に関しても少し振り返って見たいと思う。『王妃の帰還』柚木麻子『起終点駅』桜木紫乃『歩道橋の魔術師』呉明益柚木麻子と桜木紫乃は他にも何冊か読んだけれども、この二作が一番。呉明益は台湾人作家。『歩道橋の魔術師』はミステリでもSFでも...
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