Byroad Of The Alpha Ralpha Boulevard I Loiter
道草するアルファ・ラルファ大通りの脇道________________[九月後半]
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2000/09/30 (土)
 

 658371と書いて「老後はみな良い(ろうごはみないい)」と読ませる広告を見かける。ちょっと苦しいけれど、そう読ませても構わないだろう……けど「老後は見ない(ろうごはみない)」って読んでしまうよなぁ。この広告作ったとき、誰か止める人間がいなかったんだろうか。

 今日はとなり町のお祭りなのだけれどあいにくの雨。しかし消化してしまわないといけないのか、花火だけはしっかりと上げている。自分も毎年花火を上げているので、雨の日に上げる花火の大変さがよく判るのだ。さすがに屋台は出していないみたいだけど。

 「ギャラリーフェイク」 20巻 細野 不二彦
 最初の話は2000年問題にまつわる話。雑誌に掲載されていたときにはタイムリーな話題だったのだろうけれど、改めて今読むと、あぁ、そんなこともあったんだよなぁ。と思うだけ。あれだけ騒がれていた2000年問題もすっかり忘れ去られた出来事になってしまったのである。まぁ、この時期はこの業界から離れていたので2000年問題もおいらには全然関係ない話だったけど。
 時計ソフトを色々と作っているのだけれど和時計って一度作ってみたかったんだよなぁ。どこかにいい資料ってないもんだろうか。

 「コドク・エクスプリメント」 2巻 星野 之宣
 ようやく第一話とのつながりが見えるのだけれど今のところはただそれだけ。

2000/09/29 (金)
 

 何となく雰囲気がおかしいなぁと思っていたら、プログラマーが一人辞める。「この会社は人の出入りが激しいの?」と聞かれるが「それはともかく、お客さんの出入りは激しいねぇ」とお茶を濁す。そんなことおいらの口から言えるわけないでしょうが。ま、この業界、長くいる人間は長くいるけど、辞める人間はあっという間に辞めていく。突然出社しなくなったもう一人の人間も、挨拶をしに来て、正式に辞めていった。気にしていたらきりがないのだけれど、彼らのことを忘れることは無いのだろうと思う。

 「遙かなる地平」 2巻 ロバート・シルヴァーバーグ編
 ダン・シモンズとグレッグ・ベアが収録されているので2巻のほうだけ購入する。
 「U-571」 マックス・アラン・コリンズ
 映画の方は見に行く暇もなさそうなので小説のほうで我慢。とはいうものの小説の方さえ読める時間もないのだけれど…
 「ぶたもおだてりゃ木にのぼる」 笹川 ひろし
 タイムボカン・シリーズやガッチャマンを見ながら育った世代にとっては読まねばいけない本でしょう。でも一番好きな「破裏拳ポリマー」についてあまり触れられていないのが少し残念。

2000/09/28 (木)
 

 お土産で韓国海苔を貰う。

 朝からバリバリと仕事をしまくるのだけれど、午後から予定していなかった打ち合わせが入ってしまったので、とたんにペースが乱れる。既に限界点を突破しているほど仕事を抱え込んでいるのに、打ち合わせで、更に新しい仕事が入ってくる。

 「妖精の王国」 ディ・キャンプ&プラット
 復刊されていた本のひとつだけれど、読んだことがあるのかどうにも思い出せないので買ってしまう。ハロルド・シェイ シリーズはしっかりと記憶にあるのだけれど…
 「ドン・イシドロ・パロディ 六つの難事件」 ホルヘ・ルイス・ボルヘス&アドルフォ・ビオイ=カサーレス
 ボルヘスを読むのは実はこれが初めて。
 「砂ぼうず」 7巻 うすね正俊
 「CURA」 2巻 六田 登
 「成恵の世界」 2巻 丸川 トモヒロ 購入
 いろいろと買うのだけれど、全然読む暇無し。

2000/09/27 (水)
 

 「ドラゴンフライ」を少し読むのだけれど、いきなり「汚名挽回」などと書かれていてがっくりくる。去年あたりまでは「汚名挽回」なんて言葉は殆ど見かけなかったのだけれど、今年に入ってからは何故かよく見かける。汚名は返上するもので、挽回するのなら名誉なんだけど、自分の知らない間に「汚名挽回」の意味が変わってしまったのだろうか、ってそんなことあるわけない。
 ATOKを使っていると「汚名挽回」と書くと注意してくれるので(この文章書いている間に4回も注意されたのでいい加減腹が立ってきたが)間違えることはないんだけど、こういう言葉を見かけるたびに、出来る限り正しい日本語を使おうと努力することがあまり意味を持たないように思えてしまう。でも、努力することは決して間違ってはいないし、無意味じゃないはずだ。
 今月号の「SFマガジン」では今日泊亜蘭が紹介されている。この人の書く日本語は最初のうち違和感を感じるかもしれないけれど、美しくて、そして文章のリズムが気持ちいいんだよなぁ。自分もこのような文章をいつか書くことが出来るのだろうかと思うが、それはともかく、予告された「我が月は緑」の続きをとっとと書いて欲しいものである。
2000/09/26 (火)
 

 今月は、後半に入ってから何故か毎日更新出来てしまっているのですが、毎日更新するという荒行を自分に強いているわけじゃないので、更新しない日もあります。なので、直接このページにアクセスして見てくれている方は、SF系日記更新時刻で更新されているかどうか確認してから見てもらう方が吉かもしれません。

 昨日はジョー・R・ランズデールの小説をあまり下品とは思わないと書いたのだけど、「パッド・チリ」を読み始めたら前言撤回、やっぱり下品な会話炸裂。「罪深き誘惑のマンボ」や「ムーチョ・モーチョ」はどうだったのだろうと確認したかったけれども、山積みされた本の中から探す気力がなかったので、確認はまた後日。

 昼飯を買いに行くついでに、というよりも本を買いに行くついでに昼飯を買うと行った方が正確なんだけど、昨日買いそびれた「SFマガジン 11月号」を買う。秋のファンタジー特集よりも早川文庫SF創刊30周年特集のほうが気になる所だ。次号は80年代特集なんだけれど、60年代や70年代特集をもう少しやって欲しいと思う。
 「ドラゴンフライ」 ブライアン・バロウ 購入
 「悪夢の真実」とか「壮大な惨劇」と書かれているのでちょっと身を引きそうになるけれど、先月のSFマガジンの書評で面白そうだったので、思い切って買う。ミールコープの話を聞いたりすると、宇宙開発は国から民間へと移り変わろうとしているのかもしれないけれどどうなんだろうか。民間による宇宙開発と言えば、ハインラインの「月を売った男」を思い出す。

 昼間も少し肌寒さをを感じさせるようになってきたけれど、夜はいっそう風が冷たくなるが、冷たさが心地よい。

2000/09/25 (月)
 

 出勤するために車に乗ろうとすると、犬小屋の影から、我が家の犬がひょこひょこと近づいてくる。かがんで頭をなでてやる。この状態だと犬は僕の方を見続けているのだけれど、しゃがんで目線を同じ位置にしてやると、とたんに明後日の方に顔を向けてしまう。照れ隠しってことは絶対ないだろうけど、どういう理由によるものなのかは判らない。なでているときりがないので適当なところで車に乗って家を出るわけだけれど、こんなことをしているから家を出る時間が遅くなるんだよなぁ。

 昨日、何軒もの書店を回っても見つからなかったジョー・R・ランズデールの「パッド・チリ」は会社近くの書店であっさりと見つかる。レナードとハップのコンビシリーズというと「下品な会話」と書かれることが多いけれど、読んでいてもあまり下品とは思わないんだよね、ってそれは自分が下品なせいだからですか?
 確かにジョー・R・ランズデールって好き嫌いがはっきり分かれそうな気もするけれど、嫌いな人は人生の何パーセントか損していると思う。
 書店を出たところで知り合いとばったり出会う。メールのやりとりは何度かしたけれど、会うのは半年ぶり。仕事の忙しさを理由に義理を欠いている人が多いので少し反省する。とはいえ今の仕事量だとどうしても義理を欠いてしまう。何とか義理を欠かさずに済むような生活に戻したいと思う今日この頃であった。

2000/09/24 (日)
 

 「天才柳沢教授の生活」 16巻 山下 和美
 小学生の頃、社会の授業でモンゴルの文化を調べるという課題が出されたことがあった。班ごとにそれぞれ国が異なり班の中でそれぞれ調べる事柄が違うのだったけれど、自分の班に割り当てられた国は「モンゴル」で、自分が調べなければいけない事は「文化」だったのだ。たかだか10年しか生きていない小学生に抽象的な「文化」、さらに情報の少ない「モンゴル」である。何を考えているんだか神経を疑いたくなる様な課題なのだけれど、まぁ、結果より「調べる」という行為が大切だったのだろうし、また、モンゴルという国が選ばれた理由も何となく理解出来るような気もする。しかし、小学生に出すような課題じゃないと思うぞ。
 そのおかげで「モンゴル」と「文化」は深くトラウマとして残り、「文化」に興味を持つようになり、興味が高じて文化人類学なんぞを学ぶようになった。一方「モンゴル」に関しては「天才柳沢教授の生活」の15巻「モンゴル編」を興味深く読むことが出来たわけで、この課題を出した先生には感謝している。

 と書けばちょっといい話となったかもしれないが、この件に関しては感謝の「か」の字も無い。モンゴルについて調べるのにどれだけ苦労したことか。
 「モンゴル編」のインパクトが強かったせいで、16巻は少し落ちるだろうなぁと思っていたのだけれど、これまた予想を裏切って、どの話も面白い。

 「わが師はサタン」 天藤 真
 全然関係ない話だが、デュ・モーリアの短編集が近刊となっている。「くじ」が収録されていればいいなぁ。

 「水中騎士」 3巻 木城 ゆきと
「銃夢」事件がまだ記憶に新しいのだけれど、作者の人格と作品は別物だ。だからといって「水中騎士」がむちゃくちゃ面白いかというと、それもまた別の話だ。あくの強い人物ばかり登場するけれど、一向に世界の広がりを見せてくれないんだよね。

2000/09/23 (土)
 

 朝から雨が降り続いている。休日の雨にいい思い出はあまりない。だから休み日、朝から雨が降っていると悲しくなる。
 どんな出来事も、時が過ぎれば思い出となり、悲しい出来事だっていつかはそれほど悲しくなくなる日が来る。だけど、悲しい思い出はいつだってほろ苦い味がするのだ。

 しかし、今日は仕事の打ち合わせが入っているので、休日ではなかった。

 仕事を選べれる様な身分じゃないので、頼まれれば何でもするので、何でも出来るように思われがちだけれど、何でも出来たって、一度に出来るのは一つのことだけで、同時にいくつものことが出来る訳じゃない。当たり前のことだけれど勘違いされやすいんだよなぁ。

2000/09/22 (金)
 

 下品なコンビ三度ってことで、ジョー・R・ランズデールの「パッド・チリ」が出ているはずだけれど書店に行かなかったのでまだ未購入。寺田 克也の表紙が目印だ! って何がだ。
 とりあえず文庫に関しては外伝ばかりを集めたアンソロジー「遙かなる地平」が気になるところ。来月になれば、年末のベストテン狙いでミステリー系は今年の本命所が出版されるんだろうなぁ。

 朝からよろず相談引き受けます状態で、何でもかんでも聞いてくるなってな気分。だけど頼まれるとイヤと言えない自分が悲しい。
 まぁしかし、あれこれ綱渡り的に何とか切り抜ける。切り抜けたは良いけれど、結局は予定外の仕事ばかりなので、もの凄く仕事をしたような気分にはなった割には殆ど仕事ははかどっていない。なんてことだ。

 「パスポート・ブルー」は、予想外の展開を見せた中学生編かた高校生編へと突入。主人公がやたらと凄い人間に成長していて、ちょっと引いてしまう部分がある。しかし無人飛行の方向で進められている宇宙開発の中で有人飛行を目指す以上、コンピュータより優れた人間でなければ説得力が無いののだから仕方ないかも。あちらが立てばこちらが立たず状態。事件が発生したところで次巻へと続く、単行本になったときのことを考えて物語をつくっているんだなぁと思う。

2000/09/21 (木)
 

 「光の帝国」や「おもいでエマノン」はとりあえず見送り、
 「マザーレス・ブルックリン」 ジョナサン・レサム
 「超・博物誌」 山田 正紀
 「パスポート・ブルー」6巻 石渡 治 を購入。
 少し前にNetscape Navigatorを4.7から4.73にバージョンアップしたのだけれど、これがどうにも使いづらい。URLを入力する際の補正処理がなんとも変というか、中途半端な補正をしてくれるので入力にストレスが溜まる。過去最大、あるいはIEが抱え込んでいる全てのセキュリティホールよりも致命的とも言われる「Brown Orifice」セキュリティホールを修正した4.75日本語版が登場したのでダウンロードしてインストールするけれど、相変わらず補正の仕方が変だ。ひょっとしたら気にくわないのは自分だけかもしれないけれど、それにしても4.74から発生したブックマークの文字化けが4.75でも修正されていないのはどういうことなんだろう。おかげで自分のブックマークはいたる所で文字化けしまくり。かといってIEはどうにも使いづらいし、Netscape 6はまだまだ不安定で遅い。4.7に戻すとしようか…セキュリティホールの問題は「JAVAを無効」にすればいいだけだから。
2000/09/20 (水)
 

 まだ週の半ばというのに朝からやたらと眠い。玄関を出ると我が家の犬は、犬小屋から外に出ていたけれど、小屋の日陰となる場所で、ぐたっと横になっている。別に病気で具合が悪いというわけでも、衰弱しきって立ち上がる力も無くなっているというわけでもない。単に朝から涼しい場所で惰眠をむさぼっているだけだ。やたらと悔しいので頭でもなでてやろうかと思ったのだけれど、気持ちよさそうに寝ているので止める。

 「あくび猫」 南條 竹則
 現代版「我輩は猫である」ということで購入。ってどんな理由だか良く判らないけれど面白そうだったので購入。
 「夜明けの睡魔 海外ミステリの新しい波」 瀬戸川 猛資
 前々から探していたのだけれど、「夢想の研究」と勘違いしていて見つけていながら買ってなかったもの。しかし文庫とはいえども創元ライブラリって値段が高いんだよなぁ。
 集英社の文庫が発売されていると思っていたけれど見つからず。「光の帝国」は見つけたら…買ってしまうだろうなぁ。うーん、今月は書籍への出費が大きい。

2000/09/19 (火)
 

 早川書房川と東京創元社の復刊ラッシュも一段落、実に充実した数週間だった。

 抽選で当たったサーバー監視ソフトをインストールしてどんなものか試してみたいのだけれど、手頃なサーバーマシンはあるにはあるが、インストールしている時間がない。誰かに頼むという手もあるけれど自分でやりたいので今のところほったらかし。机の隣にMacが2台転がっている。もちろんこれもほったらかし。仕事がどんどん溜まっていく。もちろんこれもほったらかし…ってなわけにはいかないんだよなぁ。

 気が付くと一人またプログラマーが消えた。出張していてある日突然仕事先に来なくなってしまったらしい。毎度の事ながらこの業界では偶にあることだ。
 僕は社員じゃないのでそのあたりの詳しい事情など知っても仕方ないし、知りたくもないのだけれど、表だってそのことに触れる人は誰もいない。表面上だけを見れば、机はいつの間にかなくなり、使用していたパソコンは別の目的で使用されている。最初からその人が、この会社には存在しなかったかのようである。他の人たちが、それぞれ心の中でどのように思っているのかもちろん知る由もない以上、表面上の見えている部分でしか状況を判断するしかないのであるが、そうすると
「最初からそんな人など、この会社には存在しなかった」
 冷静に考えれば不気味で、そして、恐ろしい。
 誰も口に出さないでいることで、その人がそこに存在したことがあっさりと消し去られてしまうのだ。そしてこんな風に考えている自分が正常な感覚をもっているのか、それとも異常な感覚なのか、その境界が次第に曖昧になってくる。

2000/09/18 (月)
 

 会社のビルの入り口付近で烏がひょこひょこと歩いていた。近づいていっても飛び去ろうとしない。人間に近づかれても、自分に危害が及ぶことが無いことを知っているのだろう。もちろん大声を出したり、走って近づけば逃げるだろうけど。
 手を伸ばせば触れそうなくらい近づいていってもひょこひょこと歩いている。人に慣れている烏じゃなくって、単に自分が烏に舐められているんだけなんだろう。…いや別にただこれだけの話なんで、オチとかはないです。

 「くたばれ健康法」 アラン・グリーン
 知らない間に復刊してたので購入。こいつは、買おう買おうと思っている内に手に入らなくなってしまった本の一つ。邦題がネタバレそしていると言う話を耳にしたことがあるけれど、どうなんだろうか。
「血は異ならず」 ゼナ・ヘンダースン
 30周年記念で復刊された内の一冊。ピープルシリーズは原著では3冊分有るらしい。この機会に残された一冊も翻訳されるとうれしいんだけれどね。今月は恩田 陸の「光の帝国」も文庫化される。ひょっとしてねらった組み合わせなのか、ってそんなことはないか。
 「薔薇の荘園」 トマス・バーネット・スワン
 復刊されるってことはアンケートで上位に上がったからなんだろうけれど、「果てしなき旅路」といい「薔薇の荘園」といい、なんともまぁ地味な作品ばかりが上位に上がったのだろうか。もちろん異議を唱えるつもりはないけれど、不思議だ。
 復刊続きでうれしい悲鳴。

 アクセスログの解析をしていたら、「ぷららブラウザー+Version+2.0.2(T)」なんていうぶったまげるような、User-Agentを見つける。User-Agentを書き換えるソフトがあったりするから、書き換えているだけなのかもしれないけれど、好きこのんで書き換えるような名前でもないから、ぷららブラウザーは「ぷららブラウザー+Version+2.0.2(T)」というUser-Agentと吐き出しているのだろう。まぁUser-Agentなんてブラウザーの署名に過ぎないし、RFCでどう決められていたかは定かでないんだけれど、ブラウザー作成者は一体何を考えているんだか。いやぁ、びっくりしました。つーか大爆笑。

2000/09/17 (日)
 

 税金対策のための作業をあれこれと行う。こういう非生産的行為はしたくないのだけれど、しておかないと無用な税を払わないといけなくなってしまうからやらざるを得ない。フリーランスでやってますと言うとうらやましがられることも多いのだけれど、しがないフリーランスとなると、うらやましがられるようなことなんて殆ど無いのである。好きでやっていることだから別段苦にはならないけれど大変なことには変わりはない。休みなんてあってないようなものだ。

 やはりフランス・ミステリは好きになれないのである。「殺人交差点」読了。
 フランス・ミステリと言うと、技工を凝らしたミステリと言う印象があって、「殺人交差点」も技工を凝らした名作と呼ばれるにふさわしい物だったけれど、どうにもこうにも面白くないのである。一時期、赤川 次郎を読みふけったことがあったのだけれど、この時も、初期のフランス・ミステリ風のサスペンス物だけは面白いと思わなかった。何か損をしているような気もするが、仕方ない話だ。

 「涙はふくな、凍るまで」 読了。
 気軽に読めるエンタテイメント小説と思っていたら大違いだった。もちろん気軽に楽しめるのだけれど、所々に現れる文明批評的な部分が深みを与えているのだ。前作よりもちょっとだけたくましくなった主人公の続編が読みたくなる。

 中国と韓国の話が出る。仕事の話だ。
 韓国のソウルには一度行ったことがあって、ハングル文字の看板が無ければ日本の何処かの都市といっても気にならない都市だった。何処か懐かしい雰囲気を漂わせていたのだけれど、それはもちろん表層的な部分しか見ていなかったせいでもある。一方の中国は行ったことがない、この先行く機会があるかどうかは判らない。まぁ、中国も韓国もぼく自身にとってはどうでもいいことだ、ただ一点、中国と韓国の間にはもう一つ国があることを除いては。
 そしてもちろん自分に出来ることなど何もない。

2000/09/16 (土)
 

 昨日は新入社員の歓迎会で三時まで飲み続ける。新入社員と言っても中途採用なので初々しさなんて全然ないんだけれど。って人のことを言えるかお前は。
 目が覚めると午後も遅い時間。雨が降っているせいで薄暗く時間の感覚もずれている。まだ酒が残っていて、ボーっとしていると雷が鳴り始める。そして我が家の犬がキャンキャンと鳴き始める。相変わらず雷を怖がっている。
 確かに自分も子供の頃は雷が恐かったけれど、いつしか恐くなくなってしまったわけで、我が家の犬もいつの日か恐くなくなる日がやってくるのだろうかと、ふと思う。

 「悪魔の涙」読了。
 「ボーン・コレクター」の変奏曲と行った趣か。残り枚数でうまく決着を付けることが出来るのか心配してしまうほどのラストのどんでん返しは相変わらずだけれど、「ボーン・コレクター」を越えることは出来なかったようだ。
 主人公が「ボーン・コレクター」のリンカーン・ライムより魅力的じゃないのは仕方ないとしても、筆跡鑑定人を主人公として物語が進んでいくのは少し不自然さがある。まぁそのおかげで、主人公の個人的危機を奇跡のように何度も救っていくハロルド・ケイジが最後においしいところをもっていってしまうんだけれどね。ケイジがいかにして奇跡を成し遂げたのかというのがこの物語の最大の謎だ。

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