ウールリッチ

オンライン書店ビーケーワン:黒い天使
「黒い天使」コーネル・ウールリッチ
夫が別の女のもとに走ろうとしていることに気づいたアルバータは、意を決して夫の浮気相手に会いに向かうが、浮気委相手は何者かに殺されていた。
夫に容疑がかからぬよう、そばにあった住所録を持ち去るものの、夫は殺人容疑で逮捕され、そして死刑判決を受けてしまう。
アルバータは夫の容疑を晴らすため、住所録を手がかりに真犯人を捜しに乗り出す。
久しぶりのウールリッチです。
死刑執行のタイムリミット、次々と事件関係者を渡り歩く構成とウールリッチの特徴を全てひとまとめにしたような作品ですが、ひとまとめにしたから傑作になったかというとそうではないのがつらいところ。タイムリミットのサスペンスは何もなく、短編をつなぎ合わせたような展開で、一人目の男の話で、変だなと思ったのだけれど「幻の女」のような話を期待すると肩すかしを食らってしまう。
ハッピーエンドを勝手に期待していたために結末に唖然としてしまったのですが、事件の発端についてよくよく考えれば、こういう結末になって当然なわけで、まんまとだまされてしまいました。
ウールリッチの特徴を集めた結果、悪女ものテイストが最後に勝ったってことで、悪女ものが好きではない自分にとってはどうにもこうにも腑に落ちない話でもありました。

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