新・終わりなき物語

題名に「続」と付けたら、その続きは「新」と付けなければいけません。
今でこそ、長すぎる物語は敬遠してしまう軟弱な本読みですが、昔は短編など見向きもせず、長編しか読まない本読みでした。
「SF・ミステリ おもろ大百科」という本の中だったと思いますが、世界で一番長い話は何かという話がありました。
その本の中で、世界で一番長い小説は、外国ではマルセル・プルーストの「失われた時を求めて」日本では山岡荘八の「徳川家康」とされていました。むくむくとチャレンジ魂がわき上がってきました。
しかし、「失われた時を求めて」は近所の書店では見つかりません。一方「徳川家康」はというと、文庫で26巻もかけて徳川家康の人生を追いかける気にはどうしてもなれませんでした。チャレンジ魂がわき上がってきたくせにいきなり軟弱な私ですが、当時中学生だったのだから無理もありません。
で、「徳川家康」に継ぐ長い物語に目を向けました。それが中里介山の「大菩薩峠」です。

魔剣「音無しの構え」に翻弄され無明の闇を遍歴する机竜之助を核に、多彩な人物が入り組み展開される時代小説の最高峰。大菩薩峠の頂上で老巡礼を一刀のもとに斬り棄てた机竜之助の無双の剣は、魔剣と化した…

です。どう見てもこちらの方がおもしろそうです。
早速一巻を買い、読みふけりました。
続いて二巻目を買い、読みました。
その後、第三巻を買い…現在まで読むのを中断しています。
去年、富士見書房というところからザ・大菩薩峠 『大菩薩峠』全編全一冊という本が出ました。再チャレンジ! という言葉が一瞬だけ頭をよぎったのですが、そのまま去っていきました。
挫折した人間がこういうのも何ですが、大菩薩峠に「ザ」を付けるなと私は言いたい。

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