伊藤 典夫 / 大森 望 / 柳下 毅一郎 / Sturgeon Theodore
「ヴィーナス・プラスX」を読むのをいったん止めて、短編集だからということで「輝く断片」のいくつかの話をちょっとだけ読んでみようと思って読み始めたら最後まで読んでしまいました。もう、なんというか、圧倒されまくって放心状態に近い状態です。
最初の三編は解説にも書いてあるようにオードブル的な軽い話。「ミドリザルとの情事」は前々から読んでみたいと思っていた話だったので気合いを入れて読んだら、こんな話だったとは。しかし、これは誉め言葉です。
残りの五編はメインディッシュで、簡単にいってしまえばどれも異常心理の物語。
しかし、異常なものがごくあたりまえに平然と、そして精緻に語られます。変な物が少しも変な物でないような、狂気が狂気でないような語り口で語られるので実にわかりやすい。
そして、わかりやすいからこそ、その凄さがよくわかります。
最初の三編は解説にも書いてあるようにオードブル的な軽い話。「ミドリザルとの情事」は前々から読んでみたいと思っていた話だったので気合いを入れて読んだら、こんな話だったとは。しかし、これは誉め言葉です。
残りの五編はメインディッシュで、簡単にいってしまえばどれも異常心理の物語。
しかし、異常なものがごくあたりまえに平然と、そして精緻に語られます。変な物が少しも変な物でないような、狂気が狂気でないような語り口で語られるので実にわかりやすい。
そして、わかりやすいからこそ、その凄さがよくわかります。
雨降る夜に、瀕死の女をひろった男。
友達もできず顔も醜い孤独な男は決意する。
おれやる、全部やる…。
表題作である「輝く断片」に対して、この本の帯に書かれた言葉。
ものすごく異様な雰囲気に満ちあふれ、そしてとても悲しい話です。
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