失われた探険家

失われた探険家

  •  パトリック・マグラア/
  • 販売元/出版社 河出書房新社
  • 発売日 2007-05

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手にとって表紙を開く前にまず裏表紙を開いて、次回刊行作品を確認したくらいなので、最初は読むつもりが無かったのだけれども、パトリック・マグラアの全短編集(今のところ)という部分でついついそのままレジへと直行。全短編集っていう言葉に弱い私ですよ。
核戦争が起こって、父親が密かに作って置いた核シェルターに避難する。しかしその家族が家族愛に満ちた家族ではなかった場合にどうなるのか、という話ではないけれどもそんな感じの展開をしていく「長靴の物語」ではいとも簡単にカニバリズムに走ってしまうくせに全然悲壮感が漂わないのは語り手が長靴だからなんだろう。
一方で、レクター博士とクラリスの関係を彷彿させるような「アーノルド・クロンベックの話」では、ミステリとしてなかなかの出来だと思うのだが、最後にズボンは汚れていなかったなどと、それまでのサスペンス感みたいなものをぶちこわすようなことをしておいたりと、この作者は真面目に物語るのを恥ずかしがっているんじゃないのだろうかと思ったりもする。もっとも、この終わり方は好きですが。
しかし、「監視」では最後の最後にとんでもない一語を加えて、恐ろしさの質を転換させてしまったりするので、一筋縄ではいかないなあ。

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