グレッグ・イーガン著 / 山岸 真編・訳
イーガンの次の短編集は<奇想コレクション>の『TAP』だと思っていたので、突然の出版に驚いたのですが、それ以上に驚いたのが表紙の絵です。
まあそれはともかく、中身の方に関しては、今更とりたてて何も言うことがないなあというのが正直な感想かな。さすがにイーガンショックにも慣れたというかアイデンティティ物には慣れてしまいましたよ。テーマ的な部分で全体の統一性がとれているので短編集としてはまとまりが良くって好きなんだけど、前二冊の短編集がバラエティ豊かな作品集になっていたのでちょっと不利かも。
衝撃を味わうというよりもむしろこれだけアイデンティティを揺さぶっておいてどんな地点に着地させるかというのが楽しみだったのですが、そのあたりは大いに満足。「真心」のラストの一行なんて素敵すぎますよ。一方、イーガンって変質狂的というか変態だよなあこれはと思ったのが「ふたりの距離」。話として面白いかどうかはともかく、そこまでやるかといったところで、まあそこまでやるからイーガンなんだよね。で、そこまでやっておいて結論はそれかい!。
「オラクル」と「ひとりっ子」に関しては多世界解釈に興味が薄れてしまっているのであまりピンと来ませんでした。興味が出てきた頃に再読すれば何か感じるものが出てくるのかも知れないけど、お話としてみてもそれほど面白くはなかったなあ。多世界解釈の憂鬱もあまりピンと来ないというか何でそんなに悩むのだろうかという感覚。むしろここから発展させていった先の部分の方が面白くなるんじゃないのだろうかという気にもなってきた。「ひとりっ子」ってある意味、アシモフの「バイセンテニアル・マン」だよなあ。
で、一番面白かったのはやはり「ルミナス」。テッド・チャンの「ゼロで割る」も似たような話だったけど、バカ話へと突き抜けていったのが楽しい。冒頭のシーンは一瞬、ギブスンあたりが書いたんじゃないかって思ったりもしたし。しかしそれはともかく、終盤の展開が素晴らしい。ものすごくマクロ的なものをものすごくミクロ的なもので解決してしまおうという構図がいいなあ。
まあそれはともかく、中身の方に関しては、今更とりたてて何も言うことがないなあというのが正直な感想かな。さすがにイーガンショックにも慣れたというかアイデンティティ物には慣れてしまいましたよ。テーマ的な部分で全体の統一性がとれているので短編集としてはまとまりが良くって好きなんだけど、前二冊の短編集がバラエティ豊かな作品集になっていたのでちょっと不利かも。
衝撃を味わうというよりもむしろこれだけアイデンティティを揺さぶっておいてどんな地点に着地させるかというのが楽しみだったのですが、そのあたりは大いに満足。「真心」のラストの一行なんて素敵すぎますよ。一方、イーガンって変質狂的というか変態だよなあこれはと思ったのが「ふたりの距離」。話として面白いかどうかはともかく、そこまでやるかといったところで、まあそこまでやるからイーガンなんだよね。で、そこまでやっておいて結論はそれかい!。
「オラクル」と「ひとりっ子」に関しては多世界解釈に興味が薄れてしまっているのであまりピンと来ませんでした。興味が出てきた頃に再読すれば何か感じるものが出てくるのかも知れないけど、お話としてみてもそれほど面白くはなかったなあ。多世界解釈の憂鬱もあまりピンと来ないというか何でそんなに悩むのだろうかという感覚。むしろここから発展させていった先の部分の方が面白くなるんじゃないのだろうかという気にもなってきた。「ひとりっ子」ってある意味、アシモフの「バイセンテニアル・マン」だよなあ。
で、一番面白かったのはやはり「ルミナス」。テッド・チャンの「ゼロで割る」も似たような話だったけど、バカ話へと突き抜けていったのが楽しい。冒頭のシーンは一瞬、ギブスンあたりが書いたんじゃないかって思ったりもしたし。しかしそれはともかく、終盤の展開が素晴らしい。ものすごくマクロ的なものをものすごくミクロ的なもので解決してしまおうという構図がいいなあ。
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