『星の光、いまは遠く』ジョージ・R・R・マーティン

こんなにも膨大な設定が必要なのかと思うくらいにマーティンが考え出した設定が延々と語られる。これが<氷と炎の歌>シリーズであれば物語そのものが長大で設定に見合うだけの物語が用意されているから我慢できるけれども、<一千世界>シリーズとはいえども基本的にはこの作品だけで完結しているので、読んでいてちょっと勘弁してくださいと言いたくなってくる。
とくに、設定のいくつかはどことなくジャック・ヴァンスっぽい設定で、ジャック・ヴァンスならばこれだけの設定であってもこの半分くらいで、なおかつこの倍くらいの面白さで書いてしまうだろうことを思うと、設定だけヴァンスに売り渡して、ヴァンスが書いてくれればどれだけ良かったことかと思ってしまう。
とはいえども、ロマンスの部分においてはマーティンでなければ無理だったろうし、主人公の成長物語としてとらえれば最後のシーンにおける主人公はかっこいい。このかっこよさはヴァンスじゃ無理だろうねえ。
というわけで、延々と続く設定語りの部分を我慢して楽しむゆとりがあればヴァンスっぽい設定の部分といい、楽しむことができただろうけれども、そんなゆとりがない状態で読んでしまったのが敗因かな。

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