クレイグ・ライス 著 / 森英俊 訳
別にオレの中のライス分が足りなくなったわけではないんだけど、「眠りをむさぼりすぎた男」を購入。
クレイグ・ライス名義ではなくマイクル・ヴェニング名義で出しただけあって、ユーモア分は一切なし。
午前八時に始まり、午後五時に事件の幕がおり、各章が一時間ごとに区切られているというちょっと、コーネル・ウールリッチの作品を彷彿させるような構成。今までライスのユーモア分に惑わされていたけれど、ライスってウールリッチと同じ資質を持っているんじゃないかってふと思った。
登場人物が皆、死体を発見しておきながらもそれを隠し通すというシュールな設定は、いつ殺人が皆にばれるのかというサスペンスを孕みつつ物語が進行するのだけれども、一人を除いて登場人物みんながいい人であるところが何ともいえない。唯一嫌な人間は殺されているのだから。
もっとも、ここでいういい人というのは、幸せになって欲しいと思わせる人物ということで、このあたりの人物造形はさすがライスだなあ。
惜しむらくは、ミステリとしてはラストの展開が唐突過ぎて今ひとつだという点で、ライスファン以外には強くお薦めできないところ。
クレイグ・ライス名義ではなくマイクル・ヴェニング名義で出しただけあって、ユーモア分は一切なし。
午前八時に始まり、午後五時に事件の幕がおり、各章が一時間ごとに区切られているというちょっと、コーネル・ウールリッチの作品を彷彿させるような構成。今までライスのユーモア分に惑わされていたけれど、ライスってウールリッチと同じ資質を持っているんじゃないかってふと思った。
登場人物が皆、死体を発見しておきながらもそれを隠し通すというシュールな設定は、いつ殺人が皆にばれるのかというサスペンスを孕みつつ物語が進行するのだけれども、一人を除いて登場人物みんながいい人であるところが何ともいえない。唯一嫌な人間は殺されているのだから。
もっとも、ここでいういい人というのは、幸せになって欲しいと思わせる人物ということで、このあたりの人物造形はさすがライスだなあ。
惜しむらくは、ミステリとしてはラストの展開が唐突過ぎて今ひとつだという点で、ライスファン以外には強くお薦めできないところ。
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