- 著 五十嵐 大介/
- 販売元/出版社 小学館
- 発売日 2007-07-30
- 著 五十嵐 大介/
- 販売元/出版社 小学館
- 発売日 2007-07-30
『魔女』の二巻からはや二年、こちらの方が中断したままでいるのは残念なのだが、それと入れ替わるように始まった『海獣の子供』がようやく単行本としてまとまった。一二巻同時でしかも一巻がそれぞれ三百ページ強という分厚さ。一気に読んでしまうのがもったいないけれども、これだけの分量を一気に読んでしまうことの心地よさというか快感は押さえきることが出来ないので、一気読み。
短編だった『魔女』にくらべると、それなりのページ数を割くことが出来る舞台をもらったせいか物語の密度は薄い。『魔女』のあの濃厚な世界は期待しても出ては来ないけれども、その変わりに五十嵐大介のあの絵を存分に堪能することが出来る。『魔女』ように一気に異界へと引きずり込まれることはないものの、日常の世界から徐々に五十嵐大介のあの異界が姿を見せ始め、なかなか全貌を見せてくれないもどかしさも同時に伴って、魅了するのだ。
物語としてはまだまだ続くし、サスペンスフルな内容でありながらも、どこかゆったりとした時間の流れと物語の展開速度のおかげなのか、二巻を読み終えて、非常に満足した状態でいる。
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