来月の気になる本 2007/11

『ネクロダイバー潜死能力者』牧野 修 角川ホラー文庫
『弁頭屋』遠藤徹 角川ホラー文庫
『デッドライン(上下)』建倉圭介 角川文庫
『日本SF全集・総解説』日下三蔵 早川書房
『ミステリが読みたい! 2008年版』早川書房編集部編 早川書房
『アイ・アム・レジェンド』リチャード・マシスン ハヤカワ文庫NV
『神州纐纈城』国枝史郎 河出文庫
『gift』古川日出男 集英社文庫
『やがてヒトに与えられた時が満ちて……』池澤夏樹 角川文庫
『仕掛け花火』江坂遊 講談社ノベルス
『ナツメグの味』ジョン・コリア 河出書房新社
『[ウィジェット]と[ワジェット]とボフ』シオドア・スタージョン 河出書房新社
『THE WRONG GOODBYE ロング・グッドバイ』矢作俊彦 角川文庫
『幼年期の終わり』クラーク 光文社古典新訳文庫
『絵描きの植田さん』いしいしんじ、植田 真 新潮文庫
『ジョン平とぼくと(4)ジョン平とぼくときみと』大西科学 GA文庫
『グリーン・レクイエム/緑幻想』新井素子 創元SF文庫
『リピート』乾 くるみ 文春文庫
『蒼煌』黒川博行 文春文庫
SFマガジンで連載されていた「日本SF全集・総解説」が一冊の本にまとまる。もっともこの本、これを読んでも涎が出るだけという罪作りな内容なんだよなあ。出版芸術社の方面でこれにあわせたかのような動きがあるみたいなんだけど。
マシスンはやっぱり映画化に合わせて復刊したけど、フィニイの時のようにおまけが付かなかったのはちょっと残念。
復刊といえば、国枝史郎の『神州纐纈城』やら池澤夏樹の『やがてヒトに与えられた時が満ちて……』やらクラークの『幼年期の終わり』やら新井素子の『グリーン・レクイエム/緑幻想』やらと多いなあ。
もっとも池澤夏樹の『やがてヒトに与えられた時が満ちて……』は文庫化だしクラークは新訳なんだけどさ。『やがてヒトに与えられた時が満ちて……』は普後均の写真とのコラボレーションが魅力の一つだったわけで、今回あの写真も全部収録されるのだろうか。そもそも元本そのものの版型からして変形だったのだから無理かも知れない。
SFというジャンルの中ではとうの昔に古典入りしていたクラークのこれが古典文庫入りというのは当たり前といえば当たり前なんだけど、なんだか不思議な感じがする。しかし私にとっての『幼年期の終わり』は沼沢洽治訳の『地球幼年期の終わり』であり、オーバーロードは「上主」でオーバーマインドは「上主心」なのである。それ以外は認めない。
最相葉月の評伝のおかげなのか、それともこれとは無関係だったのかはわからないが、星新一の弟子、江坂遊の『仕掛け花火』が復刊。
シリーズが完結して、出すとしたら短編集だといっていた<ジョン平とぼくと>シリーズがもう出るとは。やっぱり短編集なのかな。
全く読むつもりは無いんだけど、徳間書店から「5次元文庫」なるレーベルが創刊。だいたい予想がつく内容なんだけど、なぜいきなり5次元なんだろうか。『まもなく世界は5次元へ移行します』なんて本が出たのはひょっとしてこの布石だった?

コメント

  1.  スタージョンも怒涛の勢いですな。あまり知らない短編を集めているようなので,これは買いだと思います。
     マシスンの「地球最後の男」も復刊ですか。バチルス・ウィルスとかいう似非科学的吸血鬼解釈だったかなあ。
     私も,沼沢洽治訳の『地球幼年期の終わり』の方を読んでおります。カレルレンにこそ,旧人類との共通性を認めるという解説も印象に残っております。

  2. Takeman より:

    今回のスタージョンの短編集は晶文社が路線変更した時点で企画中のものだったものだと思いますが、無事出版までこぎ着けたようでファンとしてはうれしいですね。そのうち東京創元社が『原子力潜水艦シービュー号』を復刊するんじゃないかと思っていますが、ちょっと無理かな。
    クラークはおおぎょるたこさんも沼沢洽治訳の方でしたか。少数派だと思っていましたが意外といるものですね。

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