限りなき夏

限りなき夏 (未来の文学)

  •  クリストファー・プリースト
  • 販売元/出版社 国書刊行会
  • 発売日 2008-05

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ハーラン・エリスンの言いなりになっていたら日の目を見ることができなかった「限りなき夏」はどこが危険なヴィジョンだったんだろうと思うくらいの甘い話なんだけど、しかしよく考えてみれば、物語の幕は閉じたけれども事態は一向に改善されていなくって、まあ一人で苦しむよりは二人の方が良いし、それが恋人同士であればなおさら良いわけなんだが、それが永遠と続くとなると、うーむ……。
なんて思ってしまうのは歳をとった証拠なのかもしれないけれども、人生あきらめも肝心だよなあなどと妥協し始めている今日この頃の私にとっては「青ざめた逍遙」の方が心にしみいる。ラストの一文なんていいよなあ。
デビュー作「逃走」のラストの豪快なうっちゃりはさておいてといいたいところなんだけれども、その次の「リアルタイム・ワールド」を読むと、まあ確かにここでも最後に豪快なうっちゃりをしていて、トンデモ理論がどう繋がるのかと思ったら、そうですか。
で、ここまでがいうなれば前半で、その後が後半。
プリーストがいかにエロいのかってのがよくわかりました……ってのは半分冗談だけど、「奇跡の石塚」にはやられてしまったよ。まさかそんな手を使ってくるとは思わなかった。

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