記憶の書

記憶の書

  •  ジェフリー・フォード
  • 販売元/出版社 国書刊行会
  • 発売日 2007-01

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まだしばらくは出ないだろうと高をくくっていたら、拍子抜けするほどあっさりと第三部が出てしまったので、これはいかんと積読状態だった第二部を読み始める。
リライト担当が山尾悠子から変わったせいか、それとも物語の展開のせいなのか、雰囲気はそれほど大きく変わっていないのにするすると読むことが出来るのがちょっと面白い。
まあ、物語の展開が、独裁者の記憶の中に入って眠り病の特効薬を探すというだけの話なので、そのせいかも知れない。
後は全体的にコミカルな感じになっているのも理由の一つかも。そういった意味ではこちらの方が本来のジェフリー・フォードっぽさがよく現れているのかも知れないなあ。
なにしろ、「トッテコイ」という頭だけの化け物の頭の中に入っていた袋の液体の正体を確かめるためにどうするかというと、飲んでみるのである。もちろん、結果としてそれが毒で、死ぬかも知れないという可能性も考えるのだが、とにかく飲むのである。そしてその結果の主人公のセリフが、
腹が痛い。
だ。
読む方は片腹痛い。
第一部があれほど倒錯した展開だったのに対して第二部は一本調子の展開なのがちょっと不満なのだが、そこは次へのつなぎとして第三部に期待しよう。

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