
- 著 ケイト・ウイルヘルム
- 販売元/出版社 サンリオ
- 発売日 1981-04
『鳥の歌いまは絶え』に続いて『杜松の時』も読んでみる。
うーむ、これはなんとも辛辣というか宇宙を夢みる男の子に喧嘩を売っているような話だ。
環境破壊によって各地で旱魃が広がった社会、宇宙を夢みることなどもってのほかだということで宇宙ステーション計画は中止になる。まあ確かにそういう方向に進んでしまうのはよくわかる。
しかし、そんな状況下でも夢みる少年はいるわけで、大人になっても夢みることを忘れない一部の人間達が、なし崩し的に宇宙ステーション計画を続行させてしまったところ、謎のメッセージが刻まれた金色の筒を見つけてしまったからさあ大変。
これは異星人からのメッセージなんじゃないかとメッセージ解読を行おうとするのだが……。とここまで読んでエリザベス・ベアの<サイボーグ士官ジェニー・ケイシー>シリーズによく似ていることに気が付いた。ひょっとしてエリザベス・ベアは『杜松の時』のリスペクトをやろうとしていたんじゃないのかな。
まあ、エリザベス・ベアのことはさておき、ここでケイト・ウィルヘルムが描き出した真実は非常に衝撃的だ。
いわゆるセンス・オブ・ワンダーなんてひとかけらもない、いや実際はこちらが期待しているセンス・オブ・ワンダーが無いだけなのだが、お釈迦様の手のひらの上でもてあそばれていただけに過ぎないというか、夢みる少年が母親の張り手一発で目を覚まさせられてしまったようなこの破壊力は凄まじい。


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