- 著 M・ジョン・ハリスン
- 販売元/出版社 国書刊行会
- 発売日 2008-09
『パステル都市』の記憶が新しいせいか、うーむ、期待していたのとはずいぶんとかけ離れた話だった。
投入されたアイデアやガジェットはもの凄く大量で、しかも無関係に見える三つの話が交互に語られそして次第に重なり合っていく様はたしかに手が込んでいて濃厚で、面白いのだけれども、はっきりいって何だかよくわからない。
『パステル都市』という物語をあれだけの分量で書いてしまった人だけあって、といってしまうのは浅はか過ぎるかも知れないけれども、『パステル都市』と比べると全体的に薄っぺらいというか重みが無い。
まあその軽さの部分が大事で、軽いからそこどこまでもすっ飛んでいけるのだろうけれども、うーむ、こんな話を期待していたのではないのだよ。
そして、軽くっても細かな部分では重く苦しい話であったりするので、さぞかし結末は爽やかでない重い展開になるのだろうと思っていたら意表をつかれてしまった。
まったくもって吹き出したくなるほどのデウス・エクス・マキナが登場してあっという間に全ての物語を丸め込んでそしてそれまでの展開が嘘のような程の爽やかで明るい終わり方をしてしまうのだ。
確かに絶賛したくなる気もわからないでもない……が、そこまでの思い入れが無いのだよなあ。ハリスンには。
コメント