犯罪王カームジン

犯罪王カームジン    あるいは世界一の大ぼら吹き

  •  ジェラルド・カーシュ
  • 販売元/出版社 角川グループパブリッシング
  • 発売日 2008-09-26

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クライム・コメディというと私の場合、真っ先に思いつくのがドナルド・E・ウェストレイクの<ドートマンダー>シリーズなのだけれども、このシリーズ、主人公は天才的な犯罪プランナーでありながらも恐ろしく不運なために、かろうじて大失敗こそしないものの、いつも収支トントンといったレベルで犯罪は割に合わないという見本市のようなもの。
それに比べると、ジェラルド・カーシュの<カームジン>シリーズは、一部例外こそあるものの犯罪王カームジンは必ず成功させ、数万単位で金を稼ぐ。それでいて嫌みにならないところがカーシュの作り上げた設定のうまさで、憎めない主人公像となっている。
で、うまいといえば、この本の編集もうまいもので、カームジン物全17作にプラスすることおまけの短編が2作付いている。箸休めとして途中で読むのもいいし、最後までとっておいてもいい。まさに至れり尽くせりといった具合だ。
そんなわけで、<カームジン>シリーズは面白く楽しめたのだけれども、私がジェラルド・カーシュに求めるものはユーモア系では無かったようで、実をいうと一番楽しめたのはボーナストラックの二編だったのだ。

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