夢を見た。
夢の中でわたしは、
「らしらこう」
と口にしていた。そして、そのあたりでちょうど目が覚めた。
うとうととして思考が定まらない中で、「らしらこう」っていったい何なのだろうかと思った。
まだ、夜は明けていないのでもう一眠りできる。たぶん、次に目が覚めたときには「らしらこう」など忘れているだろうなと思いつつ再び眠りについたのだが、次に目が覚めたときにまだ覚えていた。
「らしらこう」とは何なのだろう。
Googleで検索してみたが、見つからない。「もしかして: ○○」という文字すら出てこない。カタカナで検索しても同じだ。Googleでさえ見つけられない言葉を夢の中でつぶやいたことで、何となくGoogleに対して優越感を覚えたのだが、はたして人は、夢の中で新しい言葉を創造することができるのだろうか。そもそも夢を見ている過程で思考作業は行われているのだろうか。そして仮に行われているとして、それが夢に対してフィードバックされるのだろうか。
どうにもその考えは怪しい。
では、「らしらこう」とは何なのだろう。ひょっとしたら全てがひらがなでは無く、一部が漢字なのかもしれない。
「らしら膏」何となく薬っぽい。
「らしら講」祭祀っぽい感じがする。
「ラシラ港」異国の港なのか?
「ラシラ・コウ」人名っぽくなってきた。
「裸子羅考」民俗学か文化人類学で研究しそうだ。
馬鹿らしくなったのでこのあたりで止めておく。しかし、愚考しているうちに、もう一つの可能性に気が付いた。
何かを言い間違えたのかもしれない。
わたしは時々、言い間違いをする。だから、夢の中でも言い間違いをしてもおかしくはない。
疑問が解けた気がする。
では、わたしは何を言い間違えたのだろうかと思ったのだが、それは気にしないことにした。言い間違えて恥ずかしい思いをしたかもしれないが所詮は夢の中の出来事である。言い間違えても誰も困らない。
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