連載半ばで連載していた雑誌が休刊になってしまったので続きが出るのは半ばあきらめていたけれども、続きは書き下ろしという形で二巻目が出た。
前巻はピッピという存在を中心に展開していったけれども、今回は前巻の最後で登場した喋る猿のエリザベスと、ピッピに死の宣告を受けた真田の物語が交互に展開し、ピッピの存在は物語の中心から外れていく。そしてさらにはピッピの中でシミュレートされた存在であったタミオがバイオコンピュータに分離され、ピッピが見つけることのできなかった事柄を見つけたりと、ピッピとは異なる存在として活躍し始める。
そして、自殺を予言された真田は果たして予言どおりに自殺してしまうのかどうかという、前巻から引き続いた問題に対して、作者は予想外のひねり技を見せて、未来は確定しているのかどうなのかという疑問と答えを同時に存在させたまま、さらなる新たな問題を発生させて見せる。
新たに登場した謎の存在とその扱い方に、物語の行方に対する一抹の不安が無いわけでもないのだが、三巻が出る日を楽しみに待ちたい。
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