世間での評価は高いのだが、どうもあまり面白くない。
いや、面白くないというよりも読んでいて楽しくないといった方がいいかもしれない。
ようするに結城大佐を含めてD機関のスパイたちが優秀すぎてつまらないのだ。
今回はD機関に対するライバル的な組織である風機関という組織が登場し、D機関と風機関の攻防というエピソードが描かれるのだが、風機関側の視点で物語が進み、そしてこれもまた、最後になってD機関にしてやられるのだ。で、風機関はそれっきり他のエピソードには登場してこない。D機関対風機関の攻防を楽しみにして読むとがっかりしてしまう。
そのほかの話もD機関側のワンサイドゲームとなってしまっている。
もう少し、D機関側が苦戦するような話があればいいのにと思うのだが、逆に、そうしてしまうとこのシリーズの持ち味が減ってしまう部分もあると思うので、仕方がない。
ただ、一編だけD機関のスパイの一人がしてやられるエピソードがあり、全能感満載のD機関にもかげりが見え始める予兆なのかどうなのかは続く次の話に持ち越すこととなる。
『ダブル・ジョーカー』柳広司


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