沢庵漬けが入ったお好み焼きのことを遠州焼きと呼ぶようになったのはいつごろのことだろうか。
僕が遠州焼きという言葉を知ったのは一年くらい前のことでテレビ番組で初めて知った。50年近くこの地で生活をしていて遠州焼きなるものの存在を知らなかったことは驚きだったが、その実態が子供の頃によく食べていたお好み焼きだったので更に驚いた。
Wikipediaでおおよそのことが書かれていたので遠州焼きという言葉が生まれた実情は理解できたのだが、今でこそよく食べるお好み焼きには沢庵漬けは入っていないけれども、僕にとっての本当のお好み焼きは沢庵漬けの入ったお好み焼きであり、沢庵の味がなければ物足りないのである。
かといって沢庵漬けの入ったお好み焼きをソウルフードとなどはいうつもりはないのだが、そもそもソウルフードという言葉は好きではないので使わないけれどもそれはさておき、お好み焼きに沢庵漬けは入っていて当然であって、入っていないものは僕にとっては他所の世界の、お好み焼きに似た何かでしかない。
なので遠州焼きなる名前の食べ物も僕にとっては迷惑千万で、あれはあくまでお好み焼きであって、遠州焼きなどという名前で広く浸透してしまうとなんだか多数決の世界で負けてしまったような気持ちにもなるし、そもそも、
「お好み焼きには沢庵漬けが入っていて当然だよ」といった時に、
「それは遠州焼きである」
と言い返されてしまったら何も言えなくなってしまう。
とはいえども、広島でよく食べられているお好み焼きが広島焼きという名前で広まっていることを考えると、遠州焼きという名前で広まってしまっても仕方がないという気持ちもある。
コメント
仰るとおり。私も、そう思います。「遠州焼き」なんて昔は言ってなかった。
hagi2さん、コメントありがとうございます。
遠州地方に住んでいない人が遠州焼きと呼ぶのはべつに構わないと思うのですが、遠州地方に住んでいる人も遠州焼きと呼んでしまうのはなんだか、少し悲しくなります。
同感です。
ソウルフードという言葉も好きではありません。
韓国料理かな?って思ったりはしませんが、母国語で表現したいです。
日本人が日本の酒を「日本酒」というのも同様ですね。
戦後教育で刷り込まれた自虐意識の表れでもあると思います。
故郷の文化にもっと誇りを持ちたいですね。
ぎょゆうさん、コメントありがとうございます。
日本語で表現できるものは日本語で表現したいという思いはありますね。
私がソウルフードという言葉が好きではない理由は、そこまで大げさな表現をしなくてもいいだろうという気持ちだからです。
煽り立てるような過剰な表現というのはあまり好きではありません。
日本酒に関しては考えたことはなかったのですが、それでも「酒」という言葉で頭のなかにイメージされるのは日本酒ですね。