はまぞう新機能のご紹介

僕がはまぞうブログの中の人であるということは「1、2、3、4、5、6、7、8、9、」という記事でも書いたことがある。そして、はまぞうブログの中で何をやっているのかというと、はまぞうブログの新しい機能などを開発していたりするのだが、新機能の開発というのはいくつかのプロジェクトがあり、それぞれのプロジェクトは平行して行われている。
そういったプロジェクトの内容というものは通常は企業秘密で、当たり前のことだが、正式なリリースが可能な状態になるまでその情報は公開されることはない。しかし今回は発表しても構わないタイミングが訪れたので、現在開発中のはまぞうブログの新しい取り組みについていくつか書いてみたいと思う。
今回発表するのは、新サービス、新製品、新機能の3つの「新」である。

新サービス

まず最初にご紹介するのは、ブログの書籍化サービスである。

世の中にはブログを書籍化するサービスがいくつかあるので、秘密にしておくほど目新しいサービスではないのではないかと思われる方も多いだろう。
しかし、開発チームが取り組んでいるのは巷にあるような単なる書籍化サービスではない。書籍といっても飛び出す絵本にするサービスである。
開発チームは以前から二次元データの三次元化というものに取り組んでおり、飛び出す絵本化サービスはその技術を応用したものである。
通常、ブログ内にある写真、イラストなどの画像データにはをれを立体化させるために必要なデータというのはほとんど存在していない。しかし、後述するように我々は立体化に必要なデータを別の方法によって取り出すことに成功しし、これによりブログを書籍化する過程で、ブログ内の画像を立体的に飛び出す絵本として創りだすことができるようになった。
例えば、あなたがレストランに行って美味しい料理を食べたことをブログに書いたとしよう。その時に出された料理の写真を撮ってブログに載せたとしよう。そこでこのブログを書籍化すると、あなたの撮った美味しい料理の写真は、その本のページを開いた時にあなたの目の前に立体的に飛び出してくるのである。
例えば、あなたがどこか景色の綺麗な場所へ旅行に行ったとしよう。その時の美しい風景を写真に撮ってブログに載せたとしよう。そこでこのブログを書籍化すると、あなたの撮った美しい風景の写真は、その本のページを開いた時にあなたの目の前に立体的に飛び出してくるのである。

Fig. A-1. 眼前に飛び出す風景
(潮の香りや波の音は再現できません)

この機能はどこまで開発が進んでいるかというと、実は想定外のところで難航している。というのも二次元データを三次元化するための理論の元となったのは魔法陣であるということに由来しているからだ。ここで魔法陣が二次元データの三次元化にどういう関係があるのかと疑問に思う人もいるかもしれないので、企業秘密に抵触しないレベルで簡単にわかりやすく説明してみたい。
魔法陣と聞くと、悪魔召喚とか、日本でいえば安倍晴明の安倍晴明紋などを想像する人も多いかと思う。古今東西、召喚魔術の手段として使われる魔法陣なのであるが、この魔方陣というものは本質的に、この世に存在しないものを特定空間内に立体展開構成するための装置であり、いうなれば3Dプリンタにほかならないのである。

Fig. A-2. 3Dプリンター

もう少しわかりやすく説明すると、魔法陣はその効果の発動にあたって、近隣の空間及び術者の脳内から必要なデータを抽出し、立体射出成形を行うのである。
魔法陣における召喚の際に供物が必要とされるのは、この供物を成型のための素材として用いるためであることは近年の研究でわかってきている。魔法陣は抽出した3Dデータを元に供物を元素レベルまで分解して成型しなおすのだ。
魔法陣の原理が3Dプリンターと同一であるということがわかれば後は簡単に事が進む。魔法陣の空間射出成型のためのアルゴリズムを解析し、データ抽出理論と組み合わせてプログラム化することができれば、この魔方陣を悪魔召喚などという物騒なものになど使わず平和的利用手段のために用いることができる。さらに、今回の場合は実際に物理的な物を成型する必要などなく、光の屈折率に対してのみ影響を与え、いわゆる3Dホログラフィーとして投影させることができればいいので、素材を用意する必要もない。

Fig. A-3. ホログラフィーの発明者、ホログラフ伯爵の3Dホログラフィー

ということで開発チームは魔法陣を利用した飛び出す絵本の開発をスタートさせた。


Fig. A-4. 魔法陣による立体展開発動寸前の写真

魔法陣による空間映像投影理論

魔法陣は書籍に印刷された画像データと書籍を開いた人の脳内に存在している空間観測データを元に魔法陣によって結界を貼られた領域内の光の屈折率を変更することで3Dデータを光学的に浮かび上がらせる。
ご存知のように屈折率は真空中の光速度と物質中の光速度から求めることが出来る。真空中の光速度は物理定数であるので、自己空間内における物理定数の書き換え可能な魔法陣はこの真空中の光速度を任意に書き換えることで屈折率を変更するのである。

上記の魔法陣はあくまでわかりやすい形にイメージしたものであり、我々が開発した魔法陣はFig. A-5のようなイメージだ。実際の印刷では日本の紙幣印刷にも用いられているマイクロ文字の印刷技術を用いて超細密画線で印刷される。この技術があればこそ高密度魔法陣の印刷が可能となったわけである。

Fig. A-5. 高密度魔法陣
(掲載した魔法陣は全て無力化処理を施してあります。)

ただ、プログラムにまだバグが残っており、時として古の神々を召喚する魔法陣、あるいは我々の住む世界と平行して存在するもう一つの世界へと繋がる謎の紋章になってしまったりすることがある。幸いなことに、開発チームの中にオカルト好きなメンバーがおり、太古の神々を召喚してしまうような事態は未然に防ぐことができたので事なきを得たのだが、原因は観測者すなわち飛び出す書籍を開いた人の心がけの部分に問題がある、つまり心がけの悪い人が使用すると思わぬ不具合が発生するところにあり、開発の仕切り直しが求められている。

新製品

次にご紹介するのは、361度カメラである。

これまではソフトウェアの開発が主体であった開発チームもいよいよハードウェアの開発をスタートさせた。
というのも、先の二次元データの三次元化システムの開発中にトラブルが起こったのが原因である。なにかというと、開発チームのひとりが自分の開発マシンでプログラムのデバッグ作業をしている際に、生成された魔法陣が我々が住んでいる世界と並行するもう一つの世界につなげる空間を創りだしてしまったのである。幸いなことにそれは開発マシンのハードディスクの一部の領域内だけで発生したことで、さらにいえばプログラムを実行していた24分51秒という僅かな時間だけであったので事なきを得たのだが、つながった先の世界は我々の世界とほぼ同一の世界であり、その世界にも我々の会社が存在していて同じように開発チームが新たな技術開発に勤しんでいて、その世界の開発チームは360度カメラの開発を開発していたのであった。そして二つの世界がハードディスク内で入れ替わった時、相手側の開発データ及び資料、プログラム全てがそっくりそのまま、こちら側の開発マシン上で覗き見ることができたのである。逆にいえば向こう側では我々の開発している二次元データの三次元化処理に関する一切合財のデータを覗き見ることが出来たということであるが、それに関してはお互い様である。

Fig. B-1. 361度カメラの設計データの一部

Fig. B-2. 開発室テーブルに無造作に置かれたカメラ設計の基本理論資料

ということで棚ぼた式に手に入れた情報を元に我々もカメラの開発に乗り出したのである。
と、ここで疑問に思われる方もいるだろう。何故、360度ではなく361度なのかということだ。
その謎は我々とつながった平行世界とこちらの世界との物理法則の違いに理由がある。ほとんど同じ世界だと思われていたのだが、入れ替わったハードディスクから手に入れることのできた情報の断片から判ったことは向こうの世界は円が360度ではなく361度の世界だったということである。
では、円が360度のこちら側の世界で、361度対応のカメラを使った時、余分な1度の部分に何が写るのであろうかということが疑問として上がった。物理法則の異なった世界の技術をなんの安全対策も用意せずに使ってしまっていいのかという意見も出たが、好奇心旺盛な我々は早速試作品を作って実験してみることにした。得体のしれない太古の神々を召喚する魔法陣が発動するよりも安全だろう。
もちろん後述するように、万全な安全対策も用意したうえでの開発なのでご安心いただきたい。
そして、結果としてなにが起こったというと、存在しない1度の部分に写ったのはなんと約5分24秒過去の映像であったということである。
つまり、361度カメラで撮った映像にはその一部だけ約5分24秒過去の映像が写り込んでいるのである。秒数に換算すると314.15926535……秒、偶然かどうかはわからないが円周率を100倍した数値である。
これはしかし考えてみればそれほど不思議なことではない。361度カメラは定格電圧で動作させている限りは360度カメラとして動くのであるが、ここに定格電圧である100Vの約320000倍の電圧をかけた場合、Fig.B-3で示すように、カメラは360度の世界で361度分の情報を捉えようとする。しかし、360度の世界ではそれ以上の情報は存在しないので時間軸を巻き込んでねじ曲がり、存在しない1度分の情報を求めようとするのである。そして時間軸上においてねじ曲がる方向は、情報が確定されていない未来ではなく決定された情報が存在する過去になるのだ。

Fig. B-3. 足りない1度の情報を求めて時間軸上にスライドする

現時点でカメラの試作品は出来上がっているのだが、Fig. B-4にあるように全長約600メートル、商品化するには少々大きすぎるのが欠点である。現在このカメラは線形であるが、円形にしたほうが小型化するのではないかという案も浮上している。

Fig. B-4. 試作品のカメラの一部と開発メンバーの一人
(形状が特定できないよう不鮮明にしてあります)

目下のところ商品化に向けての大規模な小型化を行うべくFig. B-5に見られる研究施設にて日夜奮闘している。

Fig. B-5. カメラ研究施設入り口遠景
(場所が特定できないよう不鮮明にしてあります)

当初から試作カメラが巨大なものになることは想定されており、なおかつ未知のテクノロジーを扱うことに対する危険を考慮した結果、万が一事故が発生した場合に施設ごと瞬時に石棺化処理を行い封印することが可能なように山の中腹に研究施設を作ることが決定した。その際の土地買収や施設建設におけるプロジェクトXなみのドラマ展開、資金調達のための銀行との丁々発止のやり取り、関連各所への根回しや袖の下工作等、詳細に記せば一冊の本が出来上がるほどのさまざまな苦労と苦難があったのだが、それに関しては機会があれば別途筆をとることにしたいと思う。

新機能

最後にご紹介するのは、熱光学迷彩テンプレートである。

ブログを書く時、うっかり失言をしてしまってそのブログが炎上してしまうということはたまにある。うっかり失言であればまだしも、人によってはわざと炎上することを狙ったりする場合もある。
後者の場合はともかくとして、前者の場合、炎上してしまった場合の効果的な対処方法は初動時の対応であり、対応は早ければ早いほど良い。しかし、寝る前に書いた記事が炎上してしまった場合などは気がつくのは翌日であるし、その他、記事を書いたあとて外出したり仕事をしなければいけない場合などは炎上したということが気がつかない可能性も少なくない。
話は少し変わって、情報はエネルギーに転化することが可能かという、物理学において「マクスウェルの悪魔」として知られてきた不思議な現象がある。
2010年11月14日に中央大学と東京大学が、情報をエネルギーに変換する実験に成功したというニュースを発表したのだが、このニュースをご存じの方もおられるだろう。

技術的理論的なことに関してはリンク先をみてもらうこととして、我々がこの実験に注目したのは、情報が集中すればするほどそこにはエネルギーが発生するということである。つまり、炎上するということはそこに大量の情報が集中することで、その情報量はエネルギー(熱量)に転換できるのである。

情報の集中の度合いの変化を絵で説明すると以下の図、Fig. C-1とFig. C-2のような状態となる。

Fig. C-1. 炎上する前のブログ

Fig. C-2. 炎上した後のブログ

Fig. C-3. 炎上時における情報量分布図

となると、かねてから研究開発を行なってきた熱光学迷彩をそこに適用し、その技術をブログテンプレートに応用すればブログが炎上した場合、炎上した時点で熱光学迷彩が自動的に作動し、そのブログをステルス化することが可能ではないかという結論にいたるのは当然のごとくである。

Fig. C-4. 熱光学迷彩理論(一部抜粋)

ブログがステルス化して非可視状態へと変化することで炎上は自然鎮火し、鎮火することで熱量が下がれば熱光学迷彩は作動を停止してブログは再び目に見える状態となる。
可視化した段階で再び炎上する可能性もあるが、その際には何度でも熱光学迷彩は作動を繰り返すので万全である。

Fig. C-5. 炎上したブログが元通りになるまで

問題はこの熱光学迷彩テンプレートに需要があるかどうかという点だ。その場のノリと勢いでプロジェクトをスタートさせたのはいいが、炎上するブログというのはほとんどない。残念ながらこのプロジェクトに関してはお蔵入りになりそうな気配がしている。

その他の案件として、おまけとして紹介できるものに、はまぞうオリジナルタブレットの販売がある。

Fig. D-1. タブレット

スペックは横84mm、縦51mm、厚さ9mmで重さは乾燥重量で9g。出荷状態で追加充電することなしに12ヶ月は保つ能力を持っている。
タブレット製造先の目処も立っていて、クールミントがそれともオリジナルフレーバー(何のことかよくわからない人はリンク先を見ていただきたい)かで検討中であったのだが、資金調達ができずにそこで頓挫してしまっている。
資金調達と販売経路の確立ができればこの案件は浮上するかもしれない。
今回、皆さんにお話できるのはここまでである。その他の案件もいくつかあるが、それに関しては来年の今日、4月1日にお話できるかもしれない。

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