週刊 5巻以内で完結する傑作漫画99冊+α 67/99

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  1. 『天国の魚』高山和雅
    1999年5月に発売された『電夢時空2 RUNNER』以降、新作が発表されることのなかった高山和雅が15年ぶりに発表した新作。
    15年のブランクを感じさせない絵と内容はうれしくなるのだけれども、一般受けしそうもないところは少し残念かもしれない。
    隕石の落下による津波の被害から逃れるために地下シェルターに避難した五人の男女。津波の衝撃によって意識を失った彼らが意識を取り戻した時、そこで目覚めた世界はなんと1970年代の日本だった。過去にもどったことからこの物語はタイムスリップものかとおもいきや、話が進むにつれて物語は二転三転する。
    何処に着地するのか予想もつかない展開と意外な真相そして何よりも物語の結末で描かれる世界から感じとる感覚はSFでなければ感じられることのできない感覚で、久しぶりにこの感覚を得ることのできた漫画だった。登場人物たちの心情や想いを描きつつも情け容赦なくそれらを切り捨ててしまう世界をそのまま共存させて描く。
    高山和雅の作品ではこの他に、電子書籍化されている『電夢時空』『電夢時空2 RUNNER』が入手しやすい。ただし、こちらはタイトルにナンバリングされていながらもそれぞれ全く別のお話なのでどちらから先に読んでもかまわない。

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